【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス (ページ29)

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29話ページ29

「分かりました、責任を持ってお預かりします」

瞳子はその言葉を最後に、漫遊寺サッカー部の監督との通話を終了した。木暮が乗っていると分かってからは怒涛の展開である。本人に参加する意思があるとは言えさすがに無断では連れ出せない。

急遽停めたコンビニの駐車場で木暮がこちらにいることを伝え、キャラバンに参加させてよいのか否かを尋ねた瞳子。冒頭の言葉から考えてあちらからの許可は得たようだ。通話が終了すると、窓際に寄り集まり瞳子を眺めていた全員が同時に木暮の方を見る。

「俺は反対でヤンスこんな奴…!」

「あああああっ!!!!僕のレイナちゃんがああ…」

大事な雑誌にらくがきをされた栗松が最初に反対し、続いて目金もフィギュアに同じくらくがきをされたことで反対する。頼んでもいないのにどんどん反対派を増やしていく木暮。

「木暮君!!皆に謝りなさい。ちゃんと謝らないと漫遊寺に帰ってもらうからね!」

「……ごめんよ」

「…まあ、本人も謝ってるんだからさ!なっ?目金、栗松?」

『あ』

春奈に一喝され謝る木暮。漫遊寺に帰るよりはここにいたいらしい。木暮が可哀想になってきた円堂が仲裁に入った。さすがキャプテンと言うべきか、渋々だが納得させることに成功する。しかしその様子を自席から見ていた水城は、木暮が円堂の左右の靴紐同士を静かに且つ迅速に結んでいたのを目撃してしまった。

「行くわよ」

「よーし、出発だ!!」

車内に戻ってきた瞳子が暗に座れと言っている。それを察した円堂は自席への一歩を踏み出す、はずだった。

「あらっ?」

「円堂!?」

「ウッシッシッシ!」

「木暮ええ────っ!!」

どしゃっと通路で派手にすっ転ぶ円堂。驚く周りの中、1人だけ愉快そうに笑う声の主を叫んだ。