【黒○】もう我慢、しないから【悪女主】

story 1 ページ2

主人公side





帝光中学校で


笑って

遊んで

皆と過ごして




そんな日々が当たり前だった


だけど、当たり前とは脆い物だ

いつ終わってしまっても可笑しくはない


…そんな事を、あの時の私が知る筈が無かったんだ





楽しかったあの頃には









・









もう戻れない









─谷原柚萌です！よろしくねぇ♪皆とは仲良くしたいなぁ


─Aちゃんって可愛いよねぇ！Aって呼んでもいーい？


─バスケ部…？私も入りたぁい!!


─楽しいねぇ♪


─スポドリ？柚萌、面倒くさぁい。2人でやってぇ？


─A、調子乗ってる？


─Aってキモいよねぇ。Aって呼びたくないんだけどぉ


─ねぇ、嫌われて？









・









─お前、最低だな









私の1年は何だったんだろう


皆との絆って、本当にあったのかな


ううん、確かにあったよね


だったら…




絆って、こんなに脆い物なんだ






どうして


どうして信じてくれなかったの




信じてたのに



お前はやってない

って言ってくれると思ってたのに






私の何かは

音を立ててバラバラと壊れていった



最初は亀裂が入っただけ


でも



少しずつ

少しずつ



確実に




楽しかったあの頃が

走馬灯の様に流れ続ける



ベットの上で独り、上を向いて考える




皆のあの言葉が

脳裏に焼き付いて離れない




我慢したよ


ずっと我慢したよ




今もしてる







──私はいつまで我慢すればいいの？






許さない


許したくない



私を忘れてのうのうと生きている彼奴を


私を忘れて笑い合ってる彼奴らを




『……何で』




そんな事を言っても無駄だって解ってる

でも、その言葉を合図にしたかのように私の頬を涙が伝う




何で？


何で信じてくれなかったの




私の心はもう、ボロボロだよ






ねぇ、誰か信じて


ねぇ、誰か助けて






……帝光中に入学して


虹村先輩に誘われてバスケ部に入って



皆と友達になって…





沢山の時間を共にした



三学期に彼女が転校してきたんだよね




「嫌われて」か…


あの言葉の通りになったね



ねぇ



柚萌ちゃん




今君は、笑っているのかな




どうなの



そうだとしたら許さない


許さないから





…何も出来ない私はもう嫌だ



この時の私はまだ知らない



明日の出会いが、私を動かす事を─

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