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109話 ページ23

手を引かれ談話室に向かった。

談話室は絨毯が柔らかく、暖炉やふかふかのソファがいくつか置かれていた。

そこにAちゃんのお父さんとお母さんが座っていた。

2人とも私達に気がつくとニッコリ笑った。


「おかえりなさい、A、雪ちゃん」

「おかえり、A、雪さん」

「ただいまお父様、お母様」

「た、ただいまです…」


私達は2人に向かい合うような形で座った。

一体なんだろう。


「雪ちゃん、私達考えたの」

「雪さんの言動、容姿からして御家族の方は貴女をぞんざいに扱っていたんじゃないかって」

「…」


合ってる。叔父さん達は私を化け物のように扱っている。


「それだと雪ちゃんが幸せになれないじゃない、貴女を幸せにしてあげる方法はないのかって、それで」

「君を本当に私達の娘にしてはどうかって」

「!?」

「Aと一緒にいる時本当に幸せそうだもの!」

「どう…かな?」

「私は賛成よ、雪、私は貴女と一緒に居れて幸せ」

「でも…いいんですか?」


2人は顔を見合わせてニッコリ笑った。


「当たり前じゃないか!可愛い娘がもう1人増えるんだ!幸せだよ、私達も」


「そうよ、雪ちゃん

家族になりましょう?」





「…はい!!」



涙で視界が歪む。

笑っているのに涙は止まらない。

不思議だな。

隣に座っていたAちゃんが抱きしめてくれた。

さっきまで向かいに座っていたAちゃんのお父様もお母様もこっちに来て抱きしめてくれた。

温かい。家族が出来たんだ。


「産まれて来てくれてありがとう雪」

「一緒に幸せになりましょう」

「何があっても守ってあげるからね」


身体中の水分が無くなる位泣いた。

ありがとう。

私に愛を教えてくれて。

私を愛してくれて。

私も愛しています。







「君の叔父さん達にはもう話に行って来たんだ、だから、今日から藍内雪だよ」

「藍内…雪…」

「真っ白だった雪を私達藍色に染めてあげたってわけね!」

「藍色って暗い色だけど」

「私…!藍色大好きです!」


私が白ならば、Aちゃん達の色は藍色。

その色には決してならないと思っていた。

だけど私は今日から藍色になれたんだ。

色を持てたんだ。


「なんだか告白みたいね」

「あら〜、お母さん照れちゃうなぁ〜」

「そういえばどちらがお姉さんになるんだい?」

「雪の方が先に産まれてるから、雪がお姉さんだ!」

「ええ!?」

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りんや(プロフ) - †閃光の舞姫† さん» コメントありがとうございます!そうなんですか!?パラフィリアはホントに良いですよ〜^^応援ありがとうございます!頑張ります! (2017年10月3日 0時) (レス) id: 683cd6e004 (このIDを非表示/違反報告)
†閃光の舞姫† - これ読んでパラフィリア気になって調べちゃいました!パラフィリアって奥が深いですね〜!更新、楽しみにしてます!ガンバです! (2017年10月3日 0時) (レス) id: 47c9036a7f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りんや | 作成日時:2017年8月8日 20時

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