検索窓
今日:10 hit、昨日:1 hit、合計:24,130 hit

99話 ページ13

「よし、撮るよ〜」


お金を入れて背景を決めた。

その時間も楽しくてワクワクした。

ポーズはAちゃんが決めてくれた。

ピースしている写真や、ハートを作っている写真。

そして抱きしめてくれた写真。

もし、いつかAちゃんが私を嫌いになってもこの写真を見れば元気になれる。

これも大事な宝物。


「最後は観覧車乗ろ!」


大きな大きな観覧車。

ゆっくり回っていて頂上は凄く高い。

初めて見る景色に感動していた。


「ねぇ、雪」


お互いが向かい合う形に座っているため、Aちゃんの顔が正面から見れる。

真剣な表情で私を見る。


「学校で何があったのか私に言って」


きっと虐めのことだろう。

この楽しい時間ですっかり忘れていた。

私は入学して直ぐに出席番号が近い城田茜ちゃんに虐められるようになった。

理由は分かってる。私が気持ち悪いから。

初めて出会った女の子は死神だった。

クラスの皆も死神や悪魔だった。


「私の容姿のことが気にいらないから、からかわれてるだけだよ…それに私はAちゃんと過ごしたこの時間のおかげであの子達がした事なんてちっぽけに思えてきたの、心配しないで、大丈夫だから」


強がりだって分かってる。

本当は死にたいぐらい辛かった。

でもAちゃんには迷惑を掛けたくなかった。


「雪」


ゴンドラが揺れ、いい香りに包まれた。

いつの間にかAちゃんが立ち上がり私を抱きしめてくれていた。


「お願い、強がらないで…私は貴女が大好きだから、大切だから、親友だから、守りたいの!」


その一言で私の心は溶かされた。

頬が温かい。

涙が溢れ出てきた。止まらない。


「貴女は誰より素敵な人よ…だから負けないで」


たとえ世界の全ての人が私を蔑み笑っても

必要としてくれる人がいた。

大切にしてくれた人がいた。

それだけで幸せだった。


「ありがとう…ありがとう…!」


私は誓った。

何があってもAちゃんも大切にする、守ると。

大好きな大好きな親友だから。

100話→←98話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (25 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
31人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

りんや(プロフ) - †閃光の舞姫† さん» コメントありがとうございます!そうなんですか!?パラフィリアはホントに良いですよ〜^^応援ありがとうございます!頑張ります! (2017年10月3日 0時) (レス) id: 683cd6e004 (このIDを非表示/違反報告)
†閃光の舞姫† - これ読んでパラフィリア気になって調べちゃいました!パラフィリアって奥が深いですね〜!更新、楽しみにしてます!ガンバです! (2017年10月3日 0時) (レス) id: 47c9036a7f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:りんや | 作成日時:2017年8月8日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。