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かたんっ、とエンターキーを打ち込んで、思いきり伸びをしようとすると背中に温かいものを感じた。


……あ。


くるりと振り向くと、紫色のパーカーが何やら呪詛を唱えている。


『えーっと……、いっくん?』

一「…………嫌い。」

『えっ。』

一「……A、嫌いだから。」


ふいっ、とそっぽを向いて、小さくなった彼の背中。

テーブルの上の猫の日めくりカレンダーを見て、はたと思いだした。


『……いっくん。

ごめんね?相手してあげられなくて。

それで拗ねてるんでしょ?』

一「……拗ねてないし。」

『じゃあ何で嫌いなんて言うの。』

一「…………嫌いだもん。」



意地を張り続ける彼に、呆れたように溜息。

ゆっくりと立ち上がると、冷蔵庫から一つの袋を取り出した。



『いっくん。口、開けて?』

一「は?んむっ」

眉をしかめて口を開いたいっくんに、私はチョコカップケーキを詰め込んだ。

一「……っ、普通にあげれなかった訳。」

『こういうのも嫌いじゃないでしょ。』

一「…………そうだけど。」


手でカップケーキを掴みなおし、また食べ始める。


一「……あんま。」

『あれ、甘いの嫌いだったっけ。』

一「…………いや、


――まぁ、でもチョコレートよりはこっちが好きかな。」


空になったカップはテーブルの上に。

ぴっ、と親指で唇の端をなぞってから、





彼は私を横に押した。



一「チョコレートも美味しかったけどさ……。

一番甘いのはあんただよね。



……放っておかれた分、全部償ってもらうから。」




番外編Fin

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全松girl(プロフ) - 黒兎さん» いえいえ^^これからも、頑張ってください! (2017年3月26日 18時) (レス) id: ee29ea7491 (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - 全松girlさん» 置いた後です!ありがとうございます〜 (2017年3月26日 14時) (レス) id: ae3fbfbaa1 (このIDを非表示/違反報告)
全松girl(プロフ) - 第七十二章の、「携帯を老いた」ではなく、「携帯を置いた」じゃないでしょうか?失礼でしたら、ごめんなさい。 (2017年3月26日 13時) (レス) id: ee29ea7491 (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - 夜久夜恵・聡恵…執事か兄貴…低浮上?ゴメンなさいさん» そうか……、糖度甘めにした覚えはないんだが…… (2017年2月27日 21時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)
夜久夜恵・聡恵…執事か兄貴…低浮上?ゴメンなさい(プロフ) - 黒兎さん» …てか、番外編あんまぁい!!!!((鼻血 (2017年2月15日 15時) (レス) id: c3e219345d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/  
作成日時:2017年1月15日 18時

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