第六十二章 ページ23
一松side
一「……じゃあ、帰るから。」
とっぷりと日は暮れてしまい、外は暗闇。
車を鹿立さんに返してから、今日は帰る。
『……うん。
兄弟さんたち、心配するもんね。』
一「……あいつらが俺の心配すると思う?」
玄関でサンダルをつっかえると、くしゃりと前髪をかきあげる。
『してるよ、きっと。』
パジャマ姿で俺を見て笑うAに、心臓が高鳴るのはやはり出会ったときと変わらない。
一「薬、テーブルの上に出してるから……。
量確認して飲んで。」
『うん。』
一「……布団はちゃんとかけて。」
『分かってる。』
一「…………心配、だから。
……何なら、俺が温めてあげようか?」
にやりと歯を見せて笑って見せる。
ここで彼女はあたふたと慌て始め、それを堪能してから俺は手を振って「……冗談」と言う。
頭で出来上がったシュミレーション通りに。
事は進む、
『あー……、一緒に寝てくれるってこと?』
一「……は?」
『あ、ごめんごめん。
違ったら別にいいんだけど。』
『風邪の時一人だと、たまに人肌恋しくなっちゃうから』とはにかむ顔。
一「……一緒のベットで寝ていいの。」
『え?それは今日は流石に無理だけど、客用布団なら。』
2人で(別のところででも)寝るというのは、俺にとっては生殺しそのもの。
兄弟に何か言われるのも、目に見えている。
それでも、
一「…………鹿立さんに車返してから、帰ってくる。」
釣られてしまう俺は、単純にできている。
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全松girl(プロフ) - 黒兎さん» いえいえ^^これからも、頑張ってください! (2017年3月26日 18時) (レス) id: ee29ea7491 (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - 全松girlさん» 置いた後です!ありがとうございます〜 (2017年3月26日 14時) (レス) id: ae3fbfbaa1 (このIDを非表示/違反報告)
全松girl(プロフ) - 第七十二章の、「携帯を老いた」ではなく、「携帯を置いた」じゃないでしょうか?失礼でしたら、ごめんなさい。 (2017年3月26日 13時) (レス) id: ee29ea7491 (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - 夜久夜恵・聡恵…執事か兄貴…低浮上?ゴメンなさいさん» そうか……、糖度甘めにした覚えはないんだが…… (2017年2月27日 21時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)
夜久夜恵・聡恵…執事か兄貴…低浮上?ゴメンなさい(プロフ) - 黒兎さん» …てか、番外編あんまぁい!!!!((鼻血 (2017年2月15日 15時) (レス) id: c3e219345d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/
作成日時:2017年1月15日 18時