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第五十八章 ページ19

一松side

『ところで、いっくん。

ここまでどうやって連れてきたの?』

一「え、抱き上げて。」

『嘘でしょ!?』


また起き上がろうとする彼女を、「はいはい寝ないと治らないから」と寝かせて息を吐く。


一「さすがにそれは無理に決まってるでしょ……。

荷物とかもあったのに。

……車、鹿立さんに貸してもらった。」

『いっくん、運転できるんだ!?』

「……意外?」と聞けば、こくこくと頷かれる。

俺は、ぴっ、とポケットから免許証を取り出して見せた。

『わぁ、本物だぁ……。

いいね、羨ましい。』

頬を緩めて笑うA。

それがどうしても気恥ずかしくて、「ペーパーテストだけどね」と付け足した。


『ペーパーでも凄いって!

私が今ここにいるってことは、安全運転してくれたんでしょ?

だったらちゃんと運転できてる、ってことだから大丈夫だよ。』


ぼっ、と顔が熱くなる。

一「あ、あっそう……。」

『ふふ、私、今度いっくんとドライブ行きたいな。

勿論運転はお任せするけどね。』

一「俺の乗って死んでも知らないよ……?」

『いっくんに命預ける覚悟はもうできてますっ。』


あぁ、俺がこんなに幸せでいいんだろうか、って。

そう思いたくなるほどに、彼女との時間が好きで。

彼女の笑い顔が、彼女の唇が、彼女の声が、



何もかもが愛しすぎて。


一「……結婚したいなぁ。」

『…………いっくん?』

声がして。

彼女の熱とは少し違う、俺に問いかけるような瞳にはっとした。


『い、いっくん、今のって……。』


声に、出ていたということを、今更ながらに自覚する。


『ねぇ。』


唇を噛み締める。

潤んだ、彼女の瞳。



一「……さっき言った言葉。」

『え?』

一「…………Aが熱治したら、ちゃんと言い直す。



…………だから、今は寝てろ!!」


そう叫んで、ベットルームから飛び出す。

我ながら、本当にヘタレだと思う。


それでも、


彼女の熱が引いたら、彼女を車で連れだして伝えることを伝えよう。


そう、決めた。

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全松girl(プロフ) - 黒兎さん» いえいえ^^これからも、頑張ってください! (2017年3月26日 18時) (レス) id: ee29ea7491 (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - 全松girlさん» 置いた後です!ありがとうございます〜 (2017年3月26日 14時) (レス) id: ae3fbfbaa1 (このIDを非表示/違反報告)
全松girl(プロフ) - 第七十二章の、「携帯を老いた」ではなく、「携帯を置いた」じゃないでしょうか?失礼でしたら、ごめんなさい。 (2017年3月26日 13時) (レス) id: ee29ea7491 (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - 夜久夜恵・聡恵…執事か兄貴…低浮上?ゴメンなさいさん» そうか……、糖度甘めにした覚えはないんだが…… (2017年2月27日 21時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)
夜久夜恵・聡恵…執事か兄貴…低浮上?ゴメンなさい(プロフ) - 黒兎さん» …てか、番外編あんまぁい!!!!((鼻血 (2017年2月15日 15時) (レス) id: c3e219345d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/  
作成日時:2017年1月15日 18時

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