所有物には名前を書いて ―幸せをかき集めて―【完結】

最終章 ページ19

一松side


松野家にて。


空「おそ松おじちゃん、遊ぼう！！」

お「えー？

今お馬さんの観戦で忙しーのよ？おじちゃんもー。

あ、そこのカラちゃん暇よ？」

カ「ヘイ、一松Boy！

カモーン？」

一「うるっせ……」

『まぁ、いいじゃない。

空、楽しんでるし』


あれから5年。

あの時産まれた双子は、男の子は空、女の子は花と名付けられた。

まだやんちゃ盛りで手を焼いている。


花「トド兄ちゃん、髪の毛二つにして！二つ！！」

ト「二つー？

あ、花ちゃんに似合いそうなかわいい髪ゴムあるよー！」


何故かは分からないけど、空と花は上三人をおじちゃんと呼び、弟を兄ちゃんと呼ぶ。

今まで兄さん呼びされていなかったトド松は、二人の名前の呼び方がかなり気に入ったらしい。

何かと二人に買い与えるから、たまに制限かけなきゃだし。


「……はぁ」、とため息を一つ。


『……いっくん。

ありがとね』

一「……何であんたは急にそういうこと言い出すの」

『ふふっ、言いたくなっちゃって』


すっかり母の顔になった彼女は、照れ臭そうに笑う。

その眩しい笑顔に、俺も頬をほころばせて。



一「……こちらこそ。

これからも、よろしく」




【所有物には名前を書いて 終】

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