前夜の宴 ページ7
「____成る程な。
それは次の任務は頑張らないと駄目だな」
『うん』
織田の言葉に小さく頷く。
此処は何時もの《Lupin》とは違う、おり行った路地にある小さな喫茶店。
明日は外せない任務という事で此処に来た。
織田を読んで、明日の任務で太宰に認めてもらえるという旨を話したところであった。
「蓮が《シシャ》と呼ばれるようになってから半年も過ぎたからな」
『皮肉な呼び名だよ。
そうやって呼ばれるぐらいなら龍之介に《藍兎》って呼ばれる方がマシだ。
………いや、やっぱそっちも嫌かな』
「兎の方が可愛くていいと思うぞ」
『そういう問題じゃないんだよね』
《シシャ》とはこの半年で、蓮が呼ばれるようになった通り名である。
皮肉な呼び名だ、そういうのには理由があった。
その理由とは由来にある。
蓮は、任務を殆ど異能によってこなしていた。
勿論、異能を使わずとも蓮は強いのだが、【名のないシシャ】を使えば返り血が飛ばない。
汚れるのが嫌なわけでは無いが、何処か他人の血で汚れるのは抵抗があり無意識に使用していた。
____血を一切浴びず、数多に重なった屍の山を感情を見せない目で見下ろす。
血の絨毯の広がる地でのその存在は異質であった。
____まるで《死者》の様な目と、
地獄から送られてきた《使者》なのでは、と思う程に淡々と人の命に手をかけていく。
そこから《シシャ》と言う呼び名がついた。
そんな事を思い出しながら、
苦虫を噛み潰した様な顔でいると、織田は珈琲の入ったカップを揺らし言った。
「漸と太宰の補佐になれるんだろう。
如何してそんな顔をしているんだ?」
『_______』
織田の言葉にバレたか、と言わんばかりの顔をして、頰を指で捏ねくりまわした。
実は、太宰の補佐になれる、と言うことから緊張が先程からやばいのだ。
任務は明日だと言うのに、もう心臓がばくばくしている。
織田を呼び出したのもその緊張を紛らわせる為である。
『なんかさア、認められるのは嬉しいよ。
嬉しんだけどさ、何か、なんか違うんだよね』
「?
どう言うことだ?」
『んー。
何というか………………
俺は太宰さんに認められる為に此処まで頑張ってきたわけ。
それで、今回、もし仮に認められたとしてだよ?
____俺、其処で終わっちゃうんじゃ無いかって』
生きる意味を見つけるために→←不思議な気持ち《太宰side》
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Cabby - 太宰さんカッコいいですよね!めっちゃ好きです (2019年10月30日 22時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
akane_朱音 - え、太宰さんかっこよすぎない…?好き() (2019年10月29日 21時) (レス) id: 307f7ba1f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鸞宮子 瑩 | 作成日時:2019年10月29日 19時