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生きる意味を見つけるために ページ8

「終わる………」








『うん。

俺はその為だけに頑張って来たわけだから、其れが終わっちゃえば俺は生きてく意味が無くなる。

太宰さんに拾われた時は未だ生に執着があったけど、今は無いんだよ。

だから、俺はこれから生きていく意味を見つけなきゃいけない』








織田から目を離し、手元の珈琲を見ながら呟いた蓮。


織田は何か考え込む様な仕草を見せた後、顔を上げ蓮の方を向いた。








「生きる意味と言っても簡単なものでいいんじゃ無いか?

例えば、そうだな。

趣味を見つけるとかはどうだ?」








『うーん、趣味かァ………

………趣味を見つけるのって時間かかる気がする』








「ならば、好きな事とかか」








『好きな事ね………』








織田の言葉を復唱し、好きな事について考えた。


特にこれと言って好きなものはない。


これも駄目かな、と思った。


だが織田が「どうだ?」と少し期待した目で見てくるので、







『もうちょっと、作之助さんの意見を参考にして考えてみるよ』








そう言って席を立った。


織田は其れを見て「そうか」とだけ言って同じように席を立つ。


支払いを終え、店を出れば外は真っ暗だった。








『真っ暗だね』







「そうだな」







そう言って家のある方向へと向かった。


ある交差点に差し掛かり、
「俺こっちだけど」と言うと織田は「俺はこっちだ」と言うので其処で別れる事になった。


「じゃあね」と手を振ると、何か温かい感触が頭の上に。








『作之助さん………?』








「明日は俺はお前を見送ってやれないからな」








頭の上の感触の元は織田の手のひらであった。


慣れているのだろう、柔らかく頭を撫でてくれる。


ずっと、親にして欲しかった感触がして瞳の奥が熱くなった。


目を伏せ、其れがこぼれるのを防ぐ。








「明日、頑張れよ」








『_______』








「いつも通りやればいい。

無事に帰ってこい」








『_____うん』








コクリと小さく頷くと織田は安心したように手を離した。


そして、其々振り向かずに帰路に着いた。


未だ頭に残っている温もりを感じながら。

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Cabby - 太宰さんカッコいいですよね!めっちゃ好きです (2019年10月30日 22時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
akane_朱音 - え、太宰さんかっこよすぎない…?好き() (2019年10月29日 21時) (レス) id: 307f7ba1f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鸞宮子 瑩 | 作成日時:2019年10月29日 19時

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