真夜中に見た夢 ページ9
意識は黒い闇の中に落ちていた。
広がる闇は赤い燐光を纏う意識に絡みついて離さない。
意識は抵抗をしなかった。
ただ闇が自分を包もうと、潰そうと、消そうとしても抗わなかった。
だが、そんな意識の中にある転機が訪れた。
闇にされるがままにしていたある時、不意に闇が溶けるようにして消えた。
意識は驚きながらもそれに歓喜していた。
自分に鎖を着けていた闇の存在に。
一筋の、か細く弱々しい光が意識の目の前に現れた。
意識はそれに心を奪われて、誘われるようにその光へと進んでいく。
____闇は、意識が光に触れることを許さない。
次の瞬間には意識は再び闇に飲まれた。
深く黒い《嫉妬》、《強欲》、《傲慢》、《色欲》、《怠惰》、《暴食》、《憤怒》。
其れ等に塗れた闇は意識を掴んで離さない。
意識に浸透するように溶け込んで来て、意識は成すすべもなかった。
意識は光が消えていくのを感じる。
無いはずの《傷だらけの腕》を伸ばし、無いはずの《赤く汚れた口》を開いて、叫んだ。
然し其れも許さぬ様に闇は、意識に溶けていく。
溶けて、解けて、融けて、熔けて。
溶けていって____
****
《シシャ》は夢を見た。
真っ白な少年の夢を。
アルビノの少年は《シシャ》に向かって言った。
《お前が必要だ》と。
《お前が嫌いだ》と。
《シシャ》は其れを受け止めるしかなかった。
チクチクと、針が肌を刺す様な痛みが《シシャ》を苦しめる。
《何か》を忘れさせない様に。
黄金の数字はある数を示した。
一五〇〇〇〇〇〇〇
其れが《シシャ》の存在価値であると言うかの様に。
アルビノの少年は《シシャ》に感謝を伝えた。
____《シシャ》は何かを忘れている。
憎く、大切で、忘れてはいけない何かを。
____《何か》を、大事な《何か》を《シシャ》は忘れている。
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Cabby - 太宰さんカッコいいですよね!めっちゃ好きです (2019年10月30日 22時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
akane_朱音 - え、太宰さんかっこよすぎない…?好き() (2019年10月29日 21時) (レス) id: 307f7ba1f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鸞宮子 瑩 | 作成日時:2019年10月29日 19時