朝礼前の5分間戦争。* ページ38
「……何だよ、偽善テンシ。俺の視界に入ってくんな。」
奴の声なんて、姿なんて見る価値もない。
「えっ…実来先輩……??どうしちゃったんですか……?」
テンシを前にして態度の変わってしまった俺と、電光石火で亀裂の入った空気感にあわあわとする姫。
姫には悪いけど…どうしてもコイツの事は好きになれない。好きになろうとも思わない。
「酷いなぁ…実来。…またそんなに僕の事を睨み付けて……僕は君が必要なんだけどなぁ………」
「ハッ…ヘドが出るね、そんなの。テンシの所有物になるくらいだったら喜んで紐無しバンジーするよ。ぴゅーんって。」
イライラを募らせながらもただただ憎きコイツを睨みつける。腹立つんだもん。
……まぁ…でも弟たち残して紐無しバンジーは出来ないけど。
「ふふ、…実来は本当に面白い子だね。君の事、もっと好きになってしまいそうだ……」
「触んないで、汚らわしい。」
気持ち悪い台詞を吐いて俺の頬に置こうとする手を払い除ける。下手したら泉の方がマシなレベル。
「………ふふ、そんなところが愛らしいんだ。
…従順で面白みに欠ける高級犬よりも、ずっと吠え続ける野犬の方が躾がいがあるだろう?…そういう事さ。」
「誰が野犬だって?…吠え続けるような野犬はわんこだけで充分なんだけど…」
………ったく、本当に嫌だ。失せてほしい。
人を犬に例えるとか……もう俺のこと物として見てるようにしか思えない。
…やっぱり酷いよ。
「……ふふ、まぁ良い。そうやって吠えていられるのも今だけだからね…
……今までは僕の寛大な心で見逃してあげていたけれど…
…どう足掻いても、ずっと……
__君は永遠に僕の玩具なんだ。」
「___…ッ……てめぇ…………ッ…!!!」
そうだ、やっぱりコイツは俺を物としてしか見てないんだ。
辛くなってしまった俺は、怒りに任せて思いっきりテンシの胸ぐらを掴んだ。
ふざけるな。
「何が見逃してやった、だよ。随分上からな物言いだよね?
__テンシは、一体俺の事なんだと思ってるの?」
掴みかかった手に力が入る。
たった“5分間”がとても長く感じた。
105人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜空(プロフ) - 続きを心から期待しています。応援しか出来ませんが、頑張ってください。 (2019年3月17日 17時) (レス) id: 71789b4f54 (このIDを非表示/違反報告)
Knightsを護る騎士でいたかった - †鎖羅†さん» 続きとっても楽しみです!!更新待ってます♪ (2017年8月3日 15時) (レス) id: 2f00a5668f (このIDを非表示/違反報告)
†鎖羅†(プロフ) - 涙。さん» あと…私事なのですが実は本日私誕生日でして^^*最高の誕生日プレゼントになりました…!!何度でも言います、ありがとうございました((しつこい (2017年7月25日 22時) (レス) id: b90b5d86ea (このIDを非表示/違反報告)
†鎖羅†(プロフ) - 涙。さん» 改めましてイメ画本当にありがとうございます…!!私基本3DSからの更新なのですが…タブレットからだと回線重いのか上手く編集画面読み込めなくて載せるの遅れそうです;;ご容赦くださいませ><本当にありがとうございます(・・*) (2017年7月25日 21時) (レス) id: b90b5d86ea (このIDを非表示/違反報告)
†鎖羅†(プロフ) - 涙。さん» あとあと…もし宜しければ描き上がったものを作品に載せさせて頂きたいのですが大丈夫ですか?お返事下さると嬉しいです!!応援ありがとうございます(>ω<*)これからも頑張ります!! (2017年7月25日 20時) (レス) id: b90b5d86ea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:†鎖羅† | 作成日時:2017年7月17日 5時