【黒子のバスケ】影という名の月光【黒子テツヤ】※更新停止 (ページ19)

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『センリ、あのね』

素敵な夜の物語。
昨夜、私が見たことを興奮気味センリに話す。

もう、どんどん口から出てくる。

『…本当に、綺麗だったの』

今は見えることはない星空を思いだし、窓に目線を投げかけた。
青く澄んだ空が続く。
物語で言えばたったの1ページ。
そんな少ないものでも幸せだった。

心の隙間という隙間が埋め尽くされた感覚。
これも全部、彼のおかげ。

見「そうかい。白鳥くんの娘さんもか…運命は残酷だねぇ」

『高見先生・・・』

変な雰囲気の漂う高見先生は、この病院で一番偉い人。
お父さんの友人らしい。

高見先生は、ベットの近くにある椅子に腰掛ける。

見「…あの山、綺麗だったかい？」

『．．．はい』

見「はっはっは！緊張しなくても大丈夫さ。普通に話そう。花、どうだったんだい？」

『・・・薔薇とか、とっても綺麗でした』

見「うん、そうか。」

うんうん、と頷いてみせる高見先生は笑っていた。
どんな質問が来るのか、身構えていた。

見「・・・黒子テツヤくんは、どんな子だい？」

『え・・・』

見「強い？優しい？かっこいい？・・・どうだい？」

『えっと・・・』

怖い、怖い、怖い。
高見先生の目が、まるで。蛇のように私を捕らえて離さない。

(なんて言えばいいの・・・)

返答と高見先生の態度に混乱してしまった私は、なかなか言葉を言えずにいた。

神「高見先生。患者様がお呼びです。」

見「ほう、ありがとう。今から行くよ」

扉をノックもせずに、険しい顔をした神野先生が立っていた。
またね、と言った高見先生の顔は見えなかった。

神野先生も、私を一瞥すると去っていった。

(・・・神野先生？)

―――――
高見先生の言葉表記が

高「～～」
でしたが、高尾とかぶってしまうため

見「～～」
にしました。

by金木犀