偽誓 ページ14
【三成】となった佐吉は、Aの住む小屋の目の前に立つとゴクリと唾を飲んだ。
一発でバレればそれで終わりだ。
狐には戻れない。
【石田三成】として死ぬまで生きていかなければいけないのだから。
佐吉はそれでも良かった。
とにかく、Aと一緒にいられるなら....
ガタン
急に戸が開き、佐吉は内心びくりと身を震わせた。
そこには呆然と佐吉を見るA。
三成「...A」
A「えっ......みつ、なり...?」
ニンゲンの声で佐吉はいや、三成はAの名を呼んだ。
A「みつなり...三成!?三成なのか!?」
Aに腕を強く掴まれ、戸惑いはするものの三成は冷静さを失わない。
A「よかった...生きてた...」
三成「当たり前だ」
A「よかった...よかった...」
腰抜けるAの目の前にしゃがみこむ。
そして、すすり泣くAの背を優しくさすった。
騙しているのは間違いない。
だが、これでAも三成となった佐吉も得するのだ。
孤独から抜け出せるのだから...。
三成はすすり泣くAをそっと抱きしめる。
この間まで自分を抱きしめてくれたAが今では自分より小さい。
腕の中にすっぽりと入った温もり。
ずっと孤独で冷えきった心を溶かしていくようだった。
三成「A...」
いつかバレてしまってもいい...。
ただ、今はこの温もりを感じていたい...。
三成はAの背に回した手に力を込めた。
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三楓(プロフ) - SCP-114514さん» コメありがとうございます!無敬忠義最後まで読んでくださりありがとうございました(*´∀`*)楽しんでいただけて嬉しいです! (2017年9月12日 10時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
SCP-114514 - ぶっちゃけると泣きかけました。 すごいおもしろかったです。 (2017年9月11日 23時) (レス) id: 0fdbe6efba (このIDを非表示/違反報告)
小悪魔 - 三楓さん» 頑張って下さい!三成が1番大好きなので楽しみにしています! (2017年4月5日 18時) (レス) id: 65ffb71be6 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 小悪魔さん» コメありがとうございます(*´∀`*)無敬忠義最後まで読んでいただきありがとうございました!これからも頑張りますね! (2017年4月5日 18時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
小悪魔 - 三楓さん» 初めまして!パート1から全部見ました!凄く面白かったです!特に狐ノ恩返シは凄く良かったです!私は、番外編見たいな感じで読ませて頂きました!この小説はこれからもいっぱい読ませて頂きます! (2017年4月5日 18時) (レス) id: 65ffb71be6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三楓 | 作成日時:2016年8月23日 11時