29、あなや ページ3
一生懸命、窓を拭いていると、奥の方が騒がしいことに気が付いた。
あまり仕事を途中で投げ出したくないが、あまりにも騒がしいので様子を見に行ってみることにする。
「み、三日月!いい!いらない!向こうで鶯丸とお茶飲んでて!お願い!」
「大丈夫だ。心配はいらぬ」
「三日月さん。人手は足りてるから、本当にいらないから、向こうでゆっくりしてて」
「Aも頑張っておるのに俺が休憩するのもな
それに、先程、明石国行に掃除しろと怒っていなかったか?」
行ってみた先では、動きやすい服に着替えた三日月が掃除道具を持っていて、それを乱と燭台切が必死に止めていた。
しかし、三日月は聞く耳を持たず、そのまま歩き出そうとしたところで、隅に置いてあった水の入った桶を蹴飛ばしてしまう。
「あなや」
「あっ!もう!」
「…あー」
どうやら予想通りだったようで、乱と燭台切は頭を押さえた。
すぐに前田と平野が雑巾を持ってきて濡れた廊下を拭いたり、五虎退が桶を片づけたりしている。
どう声を掛けようかと考えていると、乱がこちらに気が付いた。
「あ、A!
…あー、ごめん。ちゃんと着替えさせてなかった。髪も括らなきゃ」
べつにそういうつもりで来たわけではないのだが、確かにこのままではせっかくの服も汚れてしまうので、乱に支度をしてもらう。まだこういうところは1人ではできない。
「三日月はもういいから、向こうでお茶してて。
…うーん服、どうしよっかな〜」
少ししょんぼりとした三日月のとどめを刺すと、乱が服について悩む。
と、今剣が少し古びた、内番に使っている袖なし水干を持ってきた。
「これとかどうですか?」
「いいね、ありがとう!あとは、これにもう一枚中に合わせて…」
Aに単衣を着せて、袖なしの水干を身に着けさせる。
髪は短刀たち数人がクリスマスプレゼントにくれた、玻璃の髪留めで2つに括る。
「これでよし。じゃあ、掃除よろしくね」
「うん」
やることが多いため、一緒にいられないと残念そうな乱に、頑張ってと言い、Aは、元の掃除場所に戻ろうとする。
「よっ!」
「わっ…!…そんなところからでてきたら、びっくりするからだめ。
あと、みっちゃんがさがしてた」
鶴丸が屋根裏から飛び降りてきて、心底Aを驚かせる。
何とか気持ちを落ち着かせて、鶴丸に燭台切のことを話すと、苦々しい顔をした。
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