白ロ ページ23
私カラ主君ノ座ヲ奪ッタ家康ガ許セナイ。
私ヲ蔑ロニシタ周囲ガ許セナイ。
私ヲ認メテクレナイ周囲ガ許セナイ。
家康ヲ陥レヨウトスル奴ラガ許セナイ。
家康ヲ殺ソウトスル奴ラガ許セナイ。
私ヲ狂ワセタコノ世ガ許セナイ。
私ヲ無イ者トシテ扱ウ私ガ許セナイ。
ダカラ私ハ、全テ、コロス。
コロシテ、コロシテ、コロシツクシテ……コノ痛ミヲ終ワラセル。
闇の中を幻影が彷徨う。
AであってAではないそれは、黒煙を纏いながら誰もいなくなった背後を振り返った。
「精々悪夢ノ中ヲ彷徨ッテイロ。誰モオ前ノ居ル場所ヘハ辿リ着ケナイ」
にたりと笑う幻影は僅かな光が零れる場所へ足を進めた。
踏み入れた先で待っていたのは魔王の根と戦って戦意喪失状態の兵士たち。
そこには三成の姿もあった。
「A、何故貴様が本能寺から……」
傷だらけの三成はAに瓜二つの幻影を見て驚愕と戸惑いの表情を浮かべた。
彼もまた、捉えようによっては憎悪の対象である。
「アア、良イ!実ニ良イ!コレダケイレバ私ノ痛ミモ消エルハズダ!」
「何を、言って……」
「サア、始メニ相手ヲシテクレルノハ誰ダ?オ前カ?オ前カ?ソレトモ……」
立ち上がろうとした兵士を足蹴にし、まだ息があった彼に容赦なく短刀を突き刺す。
死した彼は本能寺から伸びた赤黒い棘に身体を貫かれ、養分を啜られた。
「Aさん……アンタ、何してんだよッ!」
人殺しを楽しむAに向かって三成と共に本能寺へ来ていた左近が声を上げる。
しかしそんな怒声は意図もせず、Aは挑発するように人差し指を立てた。
「ナメやがってッ!」
「止せ左近!」
頭に血が上った左近は声を上げながらAに斬りかかる。だがそんな彼でもAに対しての情や彼女が女であることに油断していた部分があったかもしれない。
一撃を避けられたかと思えば、その腕を掴まれたのである。
「なっ!」
「マズハ、オ前カラダ」
首筋に当てがわれた短刀。
内側から逆撫でられるような笑み。
死を悟った左近が聞いたものは、己の皮膚が裂ける音とは違う凄まじい機械音だった。
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三楓(プロフ) - 鈴さん» なんと!まさか私の作品がきっかけでBASARAを始めて下さるとは...とても嬉しいです!皇は操作できるキャラが多いので色んなキャラやストーリーに触れることが出来ると思います。是非是非やり込んでみてください!またこの度は完結まで閲覧頂きありがとうございました! (2020年3月11日 3時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - …読んでいて ドキドキしたり、ハラハラしたり色々な気持ちになれて楽しかったです!! (2020年3月10日 23時) (レス) id: 2bf802d9a7 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 完結おめでとうございます、そしてありがとうございます!!とても面白く 更新が楽しみでした!三楓さんの三成さまが大好き(もちろん 他のキャラクターも大好き)です。また、三楓さんの作品がきっかけでBASARAを(皇から)始めました!上手くまとめられないのですが… (2020年3月10日 23時) (レス) id: 2bf802d9a7 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 紫月姫さん» コメありがとうございます!お陰様で今回も無事完結することが出来ましたヽ(*´∀`)ノキャラは基本原作に近い形でと思いながら書いているのでキャラ崩壊が不安ではありましたが、そのように言っていただきとても嬉しいです!次作も時間が許せば是非書きたいと思います! (2020年3月10日 20時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 天智就佐さん» こちらこそ物語を最後まで見届けていただきありがとうございます!賞賛いただき私は涙腺が崩壊しました(´TωT`) (2020年3月10日 20時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三楓 | 作成日時:2020年1月1日 2時