オナジイロ ページ12
辛うじて大鎌を避け、すぐさま両手に短刀を構える。
「神出鬼没とはまさにお前のことだな、天海」
Aに正体を見破られた天海はくつくつと笑いながら顎の下で結んでいた紐を解く。
笠を取ったことにより後ろで束ねていた女人の如く長い髪が弾けるようになびいた。
「……ああ、いいですねその表情。ここまで来た甲斐がありました」
最悪の状況だ。
それに変わりはないのに何故か不敵に口元が歪む。
「結局貴方はそちら側に付いてしまうのですね。義姉弟の絆など所詮そんなものでしたか」
「勘違いするな。私はお前の陰謀を阻止するために動いているだけだ。そういうお前は何故織田信長を復活させようとしている？」
「何故？そうですねぇ……」
天海は大鎌の先端を天井へ向け、刃に反射した自分自身を見つめた。
「私が何者なのか知るためです。私は一体誰なんでしょうね？」
「答えになっていないな」
「そうですか。貴方なら理解してくれると思ったのですが……」
大鎌の先端を床につけ、ふぅと溜息のような声が漏れる。
「昔、悩みを抱える少女がいましてね」
「……？」
「愛嬌もないせいか周囲から孤立していました。しかしこのままでは駄目だと思ったのでしょう。彼女は別側面の自分を作り出しました。自分が理想とする人間像を演じ始めたのです」
語り手は眉を顰め、瞳に憐憫の色を宿す。
「私はそれを見た瞬間悲しくなりました。周囲の色に合わせるため彼女は自分を塗りつぶしてしまった……！」
両手に持った大鎌を振り上げ、Aの足元を狙った。
鎌の攻撃範囲は広い。
短刀で太刀打ちするには限度がある。
「いくら塗りつぶしても“
次の攻撃が来る前に短刀を投げつける。
しかしそれも大鎌で防がれてしまい、再び足元を狙う攻撃を避けた瞬間、開かれたままの扉の溝に躓いてしまった。
目の前には天海が迫っている。
このまま倒れてしまえば確実に斬られてしまうだろう。
「(どうするッ……！？)」
まずは距離を取らなければならない。
Aは意を決して本堂から身を投げた。
重力に従って転げ落ちる身体。
木製の階段に身体のあちこちを打ち付けてしまったが、気の持ちようだと自らを奮い立たせた。
「……可哀想に。貴方は自分を囮にしてまで彼らを逃がしたというのに貴方を助けてくれるものは誰一人いないなんて……」
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三楓(プロフ) - 鈴さん» なんと！まさか私の作品がきっかけでBASARAを始めて下さるとは...とても嬉しいです！皇は操作できるキャラが多いので色んなキャラやストーリーに触れることが出来ると思います。是非是非やり込んでみてください！またこの度は完結まで閲覧頂きありがとうございました！ (2020年3月11日 3時) (
レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - …読んでいて ドキドキしたり、ハラハラしたり色々な気持ちになれて楽しかったです！！ (2020年3月10日 23時) (レス) id: 2bf802d9a7 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 完結おめでとうございます、そしてありがとうございます！！とても面白く 更新が楽しみでした！三楓さんの三成さまが大好き(もちろん 他のキャラクターも大好き)です。また、三楓さんの作品がきっかけでBASARAを(皇から)始めました！上手くまとめられないのですが… (2020年3月10日 23時) (レス) id: 2bf802d9a7 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 紫月姫さん» コメありがとうございます！お陰様で今回も無事完結することが出来ましたヽ(*´∀｀)ノキャラは基本原作に近い形でと思いながら書いているのでキャラ崩壊が不安ではありましたが、そのように言っていただきとても嬉しいです！次作も時間が許せば是非書きたいと思います！ (2020年3月10日 20時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 天智就佐さん» こちらこそ物語を最後まで見届けていただきありがとうございます！賞賛いただき私は涙腺が崩壊しました(´TωT｀) (2020年3月10日 20時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三楓 | 作成日時：2020年1月1日 2時
