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同調 ページ36

Aは一度頭を冷やすため縁側へ赴いた。

その後酷く自己嫌悪に陥ってしまう。


A「……十人十色という言葉を今身に染みて感じました」


さて、どうしたものか。


刑部の話から察するに三成を説得できる可能性はぐんと低くなった。

すると隣にいた左近が何食わぬ顔でAを覗き込む。


左近「A様は何が不満なんっスか?家康を倒した後に将軍様を倒しても全然問題ないっしょ?だってそうなったら三成様が天下人っスよ!」

A「でもその全ては数多の犠牲で成り立つのですよね?」


東西の争い、そして将軍とも争おうものなら、一体どれだけの人が死ぬか。

その分、どれだけの人が悲しみに暮れるか。


左近「犠牲がどうとか考えてたらキリが無いっスよ。殺らなきゃ自分が殺られる。俺らは今までそうして生きてきたんっスから」


誰かを殺して自分が生きる。


かつてのAもそうだった。

生き残るために刃を振るい、その度に嘆いて苦しんだ。




だから力が全てだと主張する秀吉の意志を否定した。

友が生きる術を見失わないようにと自ら罪を背負った家康の行動を否定した。



戦を終わらせるために日ノ本をまとめようとする慶次の理想に賛同した。

全てを終わらせても無駄だと言う刑部の現実に賛同した。




結局どれが正しいのだろう?


どれが間違っているのだろう?


Aは胸に手を当てる。


私が本当に望むものは……。

*******

甲斐武田領。

現在は信玄の配下であった幸村がその土地を治めている。

まだ領主としては初々しい顔付きの青年だ。

そして、彼の正面には改めて同盟を申し込む三成の姿が。


幸村「では石田殿は、徳川殿と戦するつもりでござるか」

三成「当然だ。貴様こそ甲斐の虎が討たれたと言うのに何故そのような甘言に耳を傾ける?」

幸村「お館様は死んでおらぬ!縁起でもないことを申されるな!」


三成の言葉にカチンときた幸村は拳を床に叩きつけた。

実際、信玄は家康に討たれたのではなく、戦の途中で病に伏したというのが本当のところらしい。

道が違えば→←西陰



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三楓(プロフ) - snowさん» コメありがとうございます!楽しんでいただけて幸いです(*´∀`*)ちまちま更新ですが頑張ります! (2018年3月18日 21時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
snow - 最初から見たのですが楽しいです、みてハラハラします!これからも頑張ってください! (2018年3月18日 19時) (レス) id: 336a57e8b1 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 琴音さん» コメありがとうございます(*´∀`*)更に楽しんでいただけるよう頑張ります! (2018年2月4日 14時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
琴音(プロフ) - 続編おめでとうございます!更新頑張って下さい!いつも楽しく見させていただいています! (2018年2月4日 14時) (レス) id: 63b6d3a152 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:三楓 | 作成日時:2018年2月4日 14時

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