古傷 ページ44
A「なんのことですか？」
マリア「隠さなくてもいいじゃない」
中々湯に浸かろうとしないAの目を見ながら、マリアは湯船から足を引き上げた。
足先から雫がぽたりぽたりと落ちる。
マリア「貴方、本当は姫じゃなくて兵士だったんでしょう？」
A「……」
マリアは再び妖艶に笑み、Aの肩に手を置いた。
マリア「妾の知り合いに聞いたのよ。豊臣には以前女の兵士がいて、それが今では姫君になっていると」
言葉だけでもAの心の臓は凍りついていくようだった。
Aの本能が、黄色信号を出す。
マリア「ねえ、貴方はどうして兵士だったの？どうして兵士を辞めても尚、姫となってその場に留まれたのかしら？」
マリアの好奇心が、Aの古傷を抉る。
思い出したくない、思い出したくない思い出したくない。
刹那、マリアの手はAの肩ではなく空気を触れていた。
自己暗示をかけていたAも何が起きたのか分からず、暗示をかけていたことすらも忘れる。
そんな中Aが微かに感じたのは、鎧の冷たい感触だった。
マリア「…あらあら、邪魔はしないでと言ったのに」
マリアの目の前には、赤く染まった鋭い剣先。
Aはその剣先から、今自分を抱きしめている人物の顔を見ようと視線を上げた。
A「石田、殿…？」
三成の頬や髪には赤い斑点のようなものが散りばめている。
それらが全て返り血であることは、鉛の匂いですぐに分かった。
マリア「妾が入浴中に入り込むなんて、随分強引な人ね？心配しなくても妾は逃げないわ」
三成「黙れ。貴様の目的は何だ」
マリア「ふふっ、妾はただ、面白いものに目が無いの」
刃を向けられていても尚、マリアはくすくすと笑っていた。
まるでこの状況でさえも楽しむように。
マリア「だってその姫君…元々兵士なのよ？一体どんな人生を送って来たのか、是非本人からお聞きしてみたいものだわ」
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わんこ大暴走 - 三楓さん» よろしくお願いします！ (2017年11月27日 16時) (
レス) id: 6622ba9bfd (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - わんこ大暴走さん» コメントありがとうございます(*´∀｀*)小説の方、是非拝見させて頂きますね。友達ですか！私でよければどうぞよろしくお願いします！ (2017年11月26日 22時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
わんこ大暴走 - あと、よろしければ、お友達になっていただけませんか？ (2017年11月26日 2時) (レス) id: 6622ba9bfd (このIDを非表示/違反報告)
わんこ大暴走 - わぁ！すごいです！ボクもBASARAの作品書いてます！読んでみてください！ (2017年11月26日 2時) (レス) id: 6622ba9bfd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三楓 | 作成日時：2017年10月30日 12時
