出陣 ページ39
新緑の季節。
豊臣の軍勢は大阪城から出立した。
その先頭で馬を走らせるのは、豊臣軍の総大将である秀吉。
人並外れた巨漢のせいか、総大将という肩書がぴったりと当てはまる彼の隣には半兵衛、その後方に三成の軍勢がずらりと並んでいる。
三成は馬を走らせながら、後ろの大阪城を振り返った。
豪華絢爛な天守閣の最上階に、兵を見送るAの姿がある。
彼女の隣には、別の護衛が付き添っていた。
刑部「嫉妬か？」
三成「なっ…！」
いつの間にか隣にいた刑部の言葉に激しく動揺したせいで落馬しかけたが、すぐに体勢を整え三成は刑部を睨んだ。
刑部「おぉ怖いコワイ。ちとからかっただけであろう？」
三成「今から戦に向かうのだぞ。ちゃんとした心構えを保て！」
刑部「懸想していた主が言うか」
三成「していない！」
否定している三成の頬は赤く染まっている。
全く説得力がないというのにそうまでして必死になっている三成が可笑しかったのか、刑部は奇妙な笑い声を響かせた。
刑部「姫君を想うその心…健気よのォ？」
三成「だっ、黙れ刑部！」
半兵衛「三成君煩いよ」
後ろで喚いていた三成に、半兵衛は叱責する。
半兵衛「今の状況を察したまえ」
三成「はっ…申し訳ございません！どうか私に許しを請う許可を！」
半兵衛「うん。だから煩いってば」
言葉を詰まらせた三成は、しゅんと項垂れる。
だが怒られて凹む三成とは真逆に、刑部は笑いを堪えているのか、肩を震わせていた。
三成「刑部…貴様後で覚えていろ」
刑部「はて、なんのことやら」
からかうな！と怒鳴りそうになった三成は、また半兵衛に怒られることを想定してぐっと堪えた。
三成「(よりにもよってA様が見ているところでっ…！)」
三成が再び天守閣の方を振り向くと、Aの姿は既に無く。
見られていなかったという安堵と、彼女が居なくなった切なさが混ざり合った。
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わんこ大暴走 - 三楓さん» よろしくお願いします！ (2017年11月27日 16時) (
レス) id: 6622ba9bfd (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - わんこ大暴走さん» コメントありがとうございます(*´∀｀*)小説の方、是非拝見させて頂きますね。友達ですか！私でよければどうぞよろしくお願いします！ (2017年11月26日 22時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
わんこ大暴走 - あと、よろしければ、お友達になっていただけませんか？ (2017年11月26日 2時) (レス) id: 6622ba9bfd (このIDを非表示/違反報告)
わんこ大暴走 - わぁ！すごいです！ボクもBASARAの作品書いてます！読んでみてください！ (2017年11月26日 2時) (レス) id: 6622ba9bfd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三楓 | 作成日時：2017年10月30日 12時
