覇王の花見 ページ34
半兵衛「おや?」
秀吉の隣で桜を眺めていた半兵衛は、少し離れたところにいるAと三成を見つけると、声をかけようと立ち上がった。
秀吉「どうした半兵衛」
半兵衛「あぁ、さっきA殿を見つけたから声をかけようと思って」
半兵衛が指さす方に目を向けると、確かにAの姿があった。
しかし秀吉は、盃に残っていた酒を飲み干して「放っておけ」と素っ気ない返事をする。
半兵衛「…この機会にA殿との仲を修復できればと思ったんだけどね。彼女は未だに自分は除け者だったと思い込んでいるよ」
秀吉「彼奴はもう兵ではない。変に勘違いして兵に戻りたがるよりはましだ」
半兵衛「まあ、それもそうだけど…」
すると半兵衛が目を離した隙に、いつの間にかAと三成の姿は消えていた。
立ち上がっていた彼は渋々腰を下ろし、側近が注いだ盃を手に取る。
半兵衛「次の戦…前田と戦うと知れば、A殿は怒鳴りこんで来るかもね」
秀吉「そのことはAに知らせるなと申したはずだが?」
半兵衛「君の指示通り戦があるとだけ伝えたよ。どこの軍を攻めるとまでは言っていないさ」
織田家から独立した前田家。
以前城下に来ていた慶次の叔父に当たる前田利家が治める加賀国は、金が豊富の土地。
織田との戦に備え、資金の確保並びに彼らを配下に加えると言うのが最大の目的だった。
半兵衛「織田が勢力を拡大する中、天政奉還をした張本人である足利義輝も一人の武人として名乗りを上げている。これは由々しきことだ」
秀吉「ふん、誰であろうと我が拳で砕くまでよ」
義輝の行動は、野原で遊ぶ童のように掴みどころがなかった。
将軍の座を降りたかと思えば、武人として国取り合戦に参加している。
彼にとってこの状況は、単なる遊びでしかないのだ。
半兵衛「こういう状況だからこそ、敵の間者に備えてA殿の傍に三成君を置いた方がいいと思うけど…生憎そうもいかないよね」
秀吉「ならば今一度Aに伝えればよかろう。次脱走すれば追わぬと」
半兵衛「しかしそれじゃ…」
秀吉「我の手を煩わせるのなら、官兵衛によって保たれた居場所ごと消し去ると脅せ。以前のように奴の脱走に構っている間など微塵もない」
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わんこ大暴走 - 三楓さん» よろしくお願いします! (2017年11月27日 16時) (レス) id: 6622ba9bfd (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - わんこ大暴走さん» コメントありがとうございます(*´∀`*)小説の方、是非拝見させて頂きますね。友達ですか!私でよければどうぞよろしくお願いします! (2017年11月26日 22時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
わんこ大暴走 - あと、よろしければ、お友達になっていただけませんか? (2017年11月26日 2時) (レス) id: 6622ba9bfd (このIDを非表示/違反報告)
わんこ大暴走 - わぁ!すごいです!ボクもBASARAの作品書いてます!読んでみてください! (2017年11月26日 2時) (レス) id: 6622ba9bfd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三楓 | 作成日時:2017年10月30日 12時