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閉ざした言葉 ページ29

そんな中事件が起きたのは、大阪城で花見が行われていた日のこと。

えいと一緒にいたAは、突然秀吉に呼び出され、彼のいる席に向かっていたという。

戦の話だろうとえいがのんびり桜を見ていたその時、今まで聞いたことのないAの怒鳴り声が響いた。
急いでえいがその場に向かうと、兵士二人に取り押さえられたAが秀吉に何か叫んでいるではないか。


A『今更!今更何を仰るのですか!』

『A様!落ち着いてくださいませ!』

A『私たちは今まで共に戦って来た仲間でしょう!?なのになぜ、兵士を辞めろと仰るのですか!』


もがくAを、秀吉はまるで鬱陶しそうな目で見ていたとえいは言った。


えい「女を戦場に出すということは、それだけ兵士が足りていないという証でもあります。秀吉様からすれば、姫様の存在は豊臣の威厳を損ねるものとなってしまったのでしょう」


何を言っても引き下がらなかったAに、秀吉はただ一言こう告げたという。


『女は戦に連れて行かぬ』と。


えい「…今まで兵士として平等に扱われてきた姫様にとって…その言葉は「用無し」と言われた気がしたのだと思います。幸い、心優しき者の計らいで姫様は姫として豊臣に居ることを許されました。今でこそ落ち着いたものの、桜を見るとそれを思い出してしまわれるのではないかと」

三成「そんなことが…」

えい「ええ。ですから自ら花見に行くと言われたのであれば、ご自分の中で区切りがついたのでしょう」


話を終えたえいは、出された茶を手に取り、喉を潤した。


えい「ですがもし花見の席で顔色を悪くなされたときは、どうかしばらく姫様の傍に寄り添ってはもらえませんか?きっとそのときの姫様は、強い孤独を感じているでしょうから」

三成「…はっ」


三成はえいに小さく頭を下げ、膝の上に乗せた拳をぎゅっと握りしめた。


えい「…それと、これは姫様の耳には触れていない事ですが」


えいは少し顔をしかめ、Aが知ることのない情報を三成に教えた。


えい「秀吉様からの信頼も厚かった姫様が急に兵士を止めさせられることになったのは恐らく…姫様の地位を妬んでいた者が仕組んだものかと私は睨んでおります」

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わんこ大暴走 - 三楓さん» よろしくお願いします! (2017年11月27日 16時) (レス) id: 6622ba9bfd (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - わんこ大暴走さん» コメントありがとうございます(*´∀`*)小説の方、是非拝見させて頂きますね。友達ですか!私でよければどうぞよろしくお願いします! (2017年11月26日 22時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
わんこ大暴走 - あと、よろしければ、お友達になっていただけませんか? (2017年11月26日 2時) (レス) id: 6622ba9bfd (このIDを非表示/違反報告)
わんこ大暴走 - わぁ!すごいです!ボクもBASARAの作品書いてます!読んでみてください! (2017年11月26日 2時) (レス) id: 6622ba9bfd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:三楓 | 作成日時:2017年10月30日 12時

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