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商人の目の前で、鋭い刃が風を斬る。

あと一歩近ければ商人はその場で斬られていたかもしれない。

刀…いや、商人の動きを怯ませたのは薙刀だった。


「汝ですか?姫様を侮辱したのは」


薙刀を構えていた尼姿の女性は商人を鋭く睨みつけながらそう尋ねた。

勇ましい尼は、恐らく四十代後半の女性。
いきなり現れた尼に三成も驚くことしか出来ず、柄に伸ばしていた手を無意識に引っ込めた。


「え、えい(・・)殿…」

「早々に姫様の御殿から失せなさい!二度とその姿を見せるで無いぞ!」


薙刀が更に商人に牙を向く。
その威圧に耐えられなかったのか、商人はゆっくり後ずさりながら野次馬をかき分け去って行った。


三成「…おい、あの尼は誰だ?」


騒動が一段落し、野次馬を帰らせていた助に三成が尋ねると、助は真っ青な顔をして「御存じないのですか!?」と声を裏返らせた。


助「あの方はA様の乳母…えい様です」

三成「乳母…」


Aの乳母と言えば確か、三成がAの護衛に配属される要因となった人物だ。


助「普段は温厚な方ですが、A様に関することとなると一気に人が変わるのでご注意ください」


えいは薙刀の刃先を上に向け、助の弟の前に立ち、その鋭い眼光で彼をまじまじと見ている。


えい「汝は確か新参者でしたか?」

「…ええ、まあ」

えい「まずは態度を治しなさい。いくら相手が気に入らぬと言えど、それを表に出せば挑発しているも同じです。仮にも姫様に雇われたのならば配下としてそれ相応の振る舞いを心掛けるよう」


叱責を受けた助の弟は口をへの字にして生返事をした。


えい「全く…おや?」


部屋に戻ろうとしていたえいに、三成の姿が目に留まる。


えい「もしや石田殿でありますか?」

三成「初御目にかかります」

えい「まあ、まあまあ…挨拶の時は不在で申し訳ございませんでした。いつも姫様がお世話になっています」


先程薙刀を構えた時とは全く真逆の表情で、えいは三成にぺこりと頭を下げた。

その姿はまるで、乳母よりも母親に近いもののようだった。

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わんこ大暴走 - 三楓さん» よろしくお願いします! (2017年11月27日 16時) (レス) id: 6622ba9bfd (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - わんこ大暴走さん» コメントありがとうございます(*´∀`*)小説の方、是非拝見させて頂きますね。友達ですか!私でよければどうぞよろしくお願いします! (2017年11月26日 22時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
わんこ大暴走 - あと、よろしければ、お友達になっていただけませんか? (2017年11月26日 2時) (レス) id: 6622ba9bfd (このIDを非表示/違反報告)
わんこ大暴走 - わぁ!すごいです!ボクもBASARAの作品書いてます!読んでみてください! (2017年11月26日 2時) (レス) id: 6622ba9bfd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:三楓 | 作成日時:2017年10月30日 12時

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