刹那 ページ7
ざくり。
予想通りざわざわと集まって来た兵をAは斬り捨てていく。
やっぱり練習にもならない。所詮は《虫》かとAが背後に迫った敵を斬った時だった。
頭に響くような音が鳴る。
戦場で何度も聞いた法螺貝の音だった。
それを合図に、迫って来ていた《虫共》はAから離れていく。
A「(どういうこと...?)」
数本ほど咲かせた《華》を足元に、Aは立ち尽くす。
奇襲にあっているのに兵を何故下がらせる?訳が分からなかった。
そして、撤退した兵の後に現れたのは痩せ型の男。
白銀の髪、つり上がった目。
たった一人でAの目の前に立った。
A「...なんのつもりですか」
三成「貴様、武者狩りの一人だな」
死体を足元に立つ武者狩りの正体は女だった。
女武将と言うものもいるくらいだから別に驚きもしない。
強いて驚くなら、伊予河野の巫女、鶴姫と同じくらいの年齢であろう女がたった一人で自分の城を攻めたと言うことだ。
A「武者狩り?聞いたこともありませんね。貴方々は私の事をそう呼んでいるのですか?」
三成「豊臣に仇なす者め。何が目的だ」
A「《虫》と語り合う時間などありません。貴方のせいで予定が狂いました」
Aは血の滴る刀を一振りし、水滴を落とす。
A「落とし前はつけてもらいます」
刹那、死体の傍に居たはずのAの姿が消える。
気配を感じ、三成は自分の首筋に迫った刀を跳ね返した。
あと一歩遅ければ首が飛んでいた。
久しぶりに死を隣り合わせに感じる。
A「...もしかして貴方がこの城の主ですか?」
三成「だったらどうする」
A「困ります。主は最後に戦おうと思っていたのに」
今度は三成がAの隙を狙う。
A「間合いに入れば即死...父上からはそう存じておりますが」
既にAは三成の間合いに入っていた。
だが、刀を縦にしてギリギリの所で攻撃を阻止する。
A「なるほど。父上が仰っていたのが分かる気がします」
三成「武者狩りは何人だ。答えろ!」
A「...愚問ですね」
三成は跳ね返された刀を収め、次の攻撃に備える。
A「私と父上だけです。増えることも減ることもありません」
三成「つまりは二人か。もう一度問う。貴様らの目的はなんだ」
A「目的...?
私に勝ったら教えてあげます」
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赫夜 - 三楓さんこんにちは赫夜デス夕方までのお仕事ご苦労様デス!!先程仕上がったこちらがわの内容を読ませて頂いたところ主人公ちゃんと三成の関わりが一転に別れて閉まったそうですが不純だらけの乱世で一体どうなって仕舞うのでしょうか…(゜m゜;) (2017年5月21日 15時) (レス) id: 09a4a3c559 (このIDを非表示/違反報告)
赫夜 - 三楓さん» 三楓さんおはようございます赫夜デス徹夜までのお仕事お疲れ様でした(*^▽^*)前回仕上がったこちらがわの内容を読ませて頂いたところ三成の頭の中は主人公ちゃんの事でいっぱいだそうですが主人公ちゃん一体何処に居るのでしょうか…‥(-""-;) (2017年5月16日 7時) (レス) id: 09a4a3c559 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 名無し737号さん» お久しぶりです!コメありがとうございます(*´∀`*)ご期待に答えられるような作品にしたいと思います! (2017年5月14日 22時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 赫夜さん» コメありがとうございます!これからも更新頑張りますね(*´∀`*) (2017年5月14日 22時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
名無し737号(プロフ) - お久しぶりです。こんばんは。石田さんの愛縛を読ませてもらっていました!風です。今作も、なかなかに良い設定ですね!落ち着きのある石田さんに、魅力を感じました!頑張って下さい! (2017年5月14日 22時) (レス) id: 3d35d0379b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三楓 | 作成日時:2017年4月2日 9時