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ふう、と溜め息をつきバスケットボールに触れる。あの後部室で散々茶化されるハメになった。原達もそうだが原因となったあの野生動物にもいらいらしていた。
「ま、ストレスが減っていいんじゃねーの?」
「むしろ溜まる一方だ」
「楽しそうだったけどねーん」
ゆるゆると締まりがない口調の原。ぷう、とフーセンガムを膨らませ、すう、とまた空気を吸って膨らんだガムを口に戻す。
「それ絶対つけんなよ」
「えーどうなるかなぁ」
よっと小さく声を出し、ボールを投げ込んだ。
.
.
「ちょいちょい」
部活を終え、校門をでると少し先を歩いていた原が手招きをした。面倒くさい、捨て猫でも見つけたのか、と少し鬱陶しく思いながらそこへ行く。
「これあの子じゃーん?」
「げ」
指を指した先を見ると陽気に帰ったはずのあいつ。バス停のベンチで本を顔に乗せ熟睡している。通りすがりの奴らも起こしてやれよ、ゴミ収集車のに回収されかねないだろ。そんな事を思いつつ、放っておこうとつま先を別の方向に向ける。
「おーい」
関わりたくないという俺の心情を察してか、原がおもしろ半分に起こそうとする。
「面倒くせぇ、捨てとけこんなもん」
「えー、女の子一人危ないよー」
「これが女の子ならな」
「どういう意味かな花宮こら」
原との会話の最後に少し高い声が混ざった。
「さっきから何私の事貶してんのさー。おかげで寝覚め最悪!」
くあ、と猫のようにあくびをするこいつ。
「起きてたならさっさと帰れ猿山に」
「あ、今の俳句っぽい。起きてたらー、さっさと帰れ、猿山に。ちょっと文字ったけどできたわ俳句」
何言ってんだかこいつは。呆れていると、隣で笑い転げる原の横腹に肘をいれる。
「いって、何すんのー」
「お前が意味もなく笑ってるからだろ」
まだ寝ぼけ
「や、だって花宮がここまで振り回されてんの初めてみたんだもーん。これが笑わずにいられますか」
「振り回されてなんかねぇわばぁか」
きりが無さそうな会話に終止符をうったのは
「ね、学校まだ開いてる?寝る前メロンソーダがぶ飲みしたらもれそうだわ今」
案の定、こいつ。
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sugar(プロフ) - フラグ関係とかありましたが、がんばってください (2015年9月6日 18時) (レス) id: e1c2c48866 (このIDを非表示/違反報告)
sugar(プロフ) - 健全だなぁ。 (2015年9月5日 20時) (レス) id: 1f5a39de0d (このIDを非表示/違反報告)
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