25 ページ25
「明日って部活あるの?」
「ああ、午後からな」
更生ずみの男を置いて、買い物の帰り道であるというこいつと適当に返事をしながら並んで歩く。途中まで帰り道が同じであったため、成り行きではあったが、違和感というか、不思議な気分になる。そんな俺を全く意に介さず、夜の街、店の光を反射させて、目を輝かせるこいつ。
ーーーーあほらし。
きらびやかな通りを抜け、街頭が並ぶ住宅街にさしかかる。するとふいに袖を捕まれた。
「今日うち来ない?」
「は?」
何でお前の家なんか、と言うと、む、っと頬を膨らませながら何か言っている。聞き取れないほどの音量であったため、あ?と聞き返すと、想像もしなかった言葉が飛び出てきた。
「今日ホラー番組やるんだけどさ…見たいのよ、見たいんだけど家に人居なくてですねえ…」
思いの外くだらない。くだらなすぎて笑いがこぼれた。
「笑うなよーー!本気だぞ、この私が本気でお願いするんだぞ!」
「まだされてねえぞ、お願い」
「揚げ足ーーー!」
むきーっと文字の通り奇声をあげる。日が落ちているためか、いつもより気持ち控えめだ。普段ならば即座に断るところだが、何せ今は気分がいい。こいつの申し出を聞き入れてやってもいいか、と思い、仕方ねえなと家まで行った。
58人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
sugar(プロフ) - フラグ関係とかありましたが、がんばってください (2015年9月6日 18時) (レス) id: e1c2c48866 (このIDを非表示/違反報告)
sugar(プロフ) - 健全だなぁ。 (2015年9月5日 20時) (レス) id: 1f5a39de0d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ