3 ページ3
「お前鬱陶しいんだよ」
「えーそんな事言わないでよ」
チャイム5分前までこいつとの会話が続いた。軽い口喧嘩のようなものでほぼ毎朝行われている。慣れてしまえばそれまでなのだが、印象が「馬鹿っぽい」奴と話している事が気に入らなかった。
その後は特に絡まれることもなく、平穏に、優等生を演じた。
そのまま、部活へと思った矢先、もう一度ヤツの顔をみるはめになる。
「もう、花宮って可愛いよね」
「言ってろ」
「あ、認めた認めた」
「チッ……」
部活に行こうという時にタイミング悪くこいつと鉢合わせ、体育館まで同行する流れになった。新年度早々ついていない。2度もこいつと言葉を交わさなければならないとは。脳天気に今日のお昼は何だの、先生の筆箱がどうのという話をこちらの反応など気にする様子もなく展開する。花が飛ぶ脳みそが一瞬見えて、ふつふつと腹の虫が反応した。
「いだだだ!下痢つぼ押さないで!!」
身長にかなり差があることをいいことに、俗に言う下痢つぼという部位を親指でぐり、と押した。あまりに脳天気でいらついたのだ。
「気に食わないことあったら下痢つぼ押すのやめてよ、私じゃ花宮の押せないんだから!」
きー!と顔をしかめて言うこいつ。潔癖の気がある俺は、正直他人に触るのは、気持ちが悪い。例えばワックスや化粧品で異物が指につく感覚がどうにも苛立つのだ。つまりは人工物を含めた気色の悪いものに触れるのがどうにも我慢ならないのだ。しかし、こいつは幸か不幸か野生動物同然でそのまま。触れても嫌悪感はなかった。
58人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
sugar(プロフ) - フラグ関係とかありましたが、がんばってください (2015年9月6日 18時) (レス) id: e1c2c48866 (このIDを非表示/違反報告)
sugar(プロフ) - 健全だなぁ。 (2015年9月5日 20時) (レス) id: 1f5a39de0d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ