俺はお前に毒された

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ーーー錆びた鉄のにおい。生ごみの鼻の奥を抉るような悪臭。下品な笑い声。鈍痛に苛(さいな)まれる身体。



　
　じんわりと喉を伝う、唾液か血かわからない液体。ああ、反吐が出る。








ーーー。



　大会が終わり、アイツの別の顔を見て１ヶ月程が経ったある日。アイツは珍しく欠席、体育館の照明メンテナンスのため部活もなし、瀬戸や原達も自由に放課後を過ごしていた。
　そのため、普段は日が沈んでからしか歩かない帰路を、明るい中以前から読み進めていた本を片手に歩く。







　じんわりと雲が滲む空の下、冷たい風が吹いた。









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ーー人通りの少ない通りにさしかかった時。



　首筋に衝撃が走り、全身が痺れる感覚に襲われた。力が抜け、思考も停止寸前だった。









「はっ、……無冠の五将とはよく言うぜ。花○……」









どこか聞き覚えのある惨めな声が耳に反響した。

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