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β-understand22 ページ22

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「………仲間か」








面の中で熱がこもり、一瞬滲んだ視界に映ったのは涼しい顔をして立っている白髪の男とそいつの前で横たわるあいつの背中だった。








──────数分前。






屋根上をとび、Aが居るであろう場所へと向かう。

大がかりな武器はまだ使われていないようで、爆発音どころか大きな音さえ聞こえてこない。街は少なからずざわついてはいたが、騒ぎのもとがもとだからか、さして不安がっているようには見えなかった。




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(随分派手にやったな…)








中に入りしばらく進むとあたりは血溜まりになっていた。


足元に転がる死体は頭がない者や恐らく胸部を貫かれた者が多く、普段のAとは違う印象を与えた。相手がハト、つまり武器を持った人間であったがゆえに、手間をかけるのを避けたのか───…。



それとも他に何か理由があるのだろうか。









(何にせよ、とっとと連れ戻す)









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しばらく建物内を走ると、次第に白鳩が少なくなっていった。

そして足を進めると、2つの影が見えた。


「……………」








あたりに付いている血は恐らくAのものだ。上下する肩によると、まだ息はあるらしい。




(面倒な奴と対面しちまったな…)







きりきりと張り詰めた空気が流れる。が、そんな空気を何とも思っていない様子で向こうが口を開いた。








「返せ、とは何のことだ」




その言葉は俺ではなくAに向けられたものだとやつの視線が言う。





「……して、返……して……」






耳を澄ますと確かに聞こえてくる、あいつの声。空気の多く混じった、苦しげな音がぽつりぽつりと繋がれていく。







「会わせたい…の、……会わせなくちゃ……」


「もう何もすることはできない」







そう言ってやつがクインケを振り下ろした瞬間、Aの身体を何かが包んだ。




「……会わせなくちゃ………だか、ら…返して……」






馬鹿の一つ覚えのように同じ言葉を繰り返すこれを俺は知っている。





(呑まれる…!!)








そう思った途端、何かが弾けたように身体が動き、Aとやつの間に立っていた。



「………………」




「それはもう手遅れだ」









パキパキと音を鳴らしながら呟くAを背中に、反論する言葉は脳内ですら浮かばなかった。

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なっちゃん - すごく…すごく切なくて苦しかったけど、面白かったです…ありきたりなハッピーエンドじゃなくて泣きそうになったけどそこが良かった…この作品を作ってくれて、そしてちゃんと完結まで持っていってくれてありがとうございました…(;-;)この作品に出会えて良かったです (2021年10月8日 14時) (レス) id: ac8e88b096 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜舞(プロフ) - 更新遅れてしまい申し訳ありません(>_<)温かいコメント本当にありがとうございます!ちまちまですが更新再開する予定です! (2017年1月29日 22時) (レス) id: 1c3ca1ac8c (このIDを非表示/違反報告)
ももタ郎。(プロフ) - 面白かったです。更新応援してます( ^ω^ ) (2017年1月21日 17時) (レス) id: 94c136b52e (このIDを非表示/違反報告)
ももニャン(プロフ) - 更新まってます! (2016年9月3日 22時) (レス) id: 4645770aff (このIDを非表示/違反報告)
K・M - このあとの展開が気になる!更新頑張ってください。 (2015年9月26日 22時) (レス) id: 6b3a0c3161 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:咲夜舞 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2015年3月28日 18時

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