第１１話 ＿ 注文 ページ12
*
「では、ごゆっくりどうぞ」
なんで私は英智と喫茶店にいるのだろうか。
喫茶店に連れていけと言った渉は
どこへ行ったのだろうか。
まぁそれも聞けば分かる、か。
『で、英智はどうしてここに？』
「ふふ、気になるかい？」
『それなりには』
「渉が喫茶店に連れて行ってくれると
言っていたから♪」
はい、ご名答。
やはり今回も渉のに仕組まれていたらしい。
アイツは英智と私の関係をどうしたいんだか。
「ところでA」
『ん？』
呼びかける彼の目はキラキラしていて、
まるで少年のようだ。
「このボタンはなんだい？」
『ボタン？』
英智の指の先を見てみればコールベル。
飲食店ではお馴染みのあれだ。
嫌な予感がした。
『待って、それ押しちゃ＿＿』
“駄目” という前に
店内に響くピンポンという音。
そして30秒も経たないうちに
「お待たせ致しました」と笑顔の店員。
極めつけには
「へぇ、店員を呼ぶ仕組みなんだね」と英智。
『＿＿なんだこれ』
そうだった、英智はこういう奴だったわ。
基本的に普通に高校生できないくらいの
金持ちだった。
『これは店員が呼べるボタン。
用がないときは押さないこと』
まさか高校生にもなって
こんなセリフを言うことになるとは。
「じゃあ僕も注文しようかな」
目に見えて楽しそうにメニューを開いた。
「へぇ、沢山あるんだね」
『ここは特に種類豊富なの。
ケーキもそうだし、紅茶も種類あるよ』
教えると紅茶のページをじっくりと眺める。
もう1ページ開き、
私にケーキページを向けてこう問った。
「ショコラケーキとストロベリーケーキ、
どっちがいい？」
『ショコラ！』
「ストロベリーだね、分かったよ」
『渉と比べずとも！？』
渉がストロベリーと言ったのなら分かる。
いや、これも結構悲しいけどね？？
が。今回は渉の意見などない。
のに！？私の意見と逆を選ぶ！？！？
そろそろ本気で
好かれてる自信なくなってきたぞおい。
彼は涙目な私の前でボタンを押した。
先程と同じようにピンポンと響く音、
コツコツと足音、店員の声。
そして＿＿。
「ショコラケーキとアッサム」
賑わっているはずの喫茶店がその瞬間だけ
注文する声だけで耳いっぱいになった。
『……ちゃんと注文してるじゃんか』
*
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翠理 *μidori(プロフ) - サリーさん» わぁぁぁ嬉しいお言葉をありがとうございます〜！ぜひぜひその流れで推しちゃってください！！笑 これからも楽しんで頂けるよう頑張りますのでお付き合いいただければ幸いです(*´ｪ`*) (2022年11月28日 18時) (
レス) id: 1cce995324 (このIDを非表示/違反報告)
サリー - これ読む前は別に英智推してなかったんですけど、これ読んで推しになりそうです……！すっごく面白いです！！ (2022年11月21日 18時) (レス) @page17 id: bff6de7ecd (このIDを非表示/違反報告)
翠理 *μidori(プロフ) - 咲良さん» 初めまして、コメントありがとうございます！作品、気に入って頂けたようで光栄です！たくさん嬉しいお言葉と登録もありがとうございます(TT)励みになります〜！！気まぐれすぎる更新頻度ですが、引き続きお付き合い頂けたら嬉しいです(*´ｪ`*) (2022年10月5日 0時) (レス) id: 449bf16df2 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - あｯｯｯ………とても好きです…なんかほんとに、あの、好きです……語彙力がないのが悔やまれる…！！とにかくすきです！！！めちゃめちゃすきです！！！！更新されるの楽しみにしてるです！！（お気に入り登録失礼します…！） (2022年10月2日 22時) (レス) id: abcb0d1633 (このIDを非表示/違反報告)
翠理 *μidori(プロフ) - 珀琥さん» 初めまして、コメントありがとうございます！作品、気に入って頂けて何よりです…！お気遣いもありがとうございます泣 最近は私生活が落ち着かずあまり更新できずにいますがまた近いうちに更新していきますね。宜しければ最後までお付き合い頂ければ幸いです！ (2022年8月21日 20時) (レス) id: 1cce995324 (このIDを非表示/違反報告)
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