【あんスタ短編集】夕焼けの偶像【Valkyrie】 (ページ18)

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キスをしないと出られない楽屋（１）　斎宮宗ページ18

私はA。Valkryrieのマネージャ兼プロデューサーをしている。

今日はValkyrieの雑誌の撮影の仕事に立ち会っているのだけど…

「なんだねその要望は！こんなポージング、僕は認めないのだよ！！」
「格式高い僕がなぜこんなこんなことをしなければならないのかね！？」

…また始まった。Valkyrieのリーダーこと、斎宮先輩は実力は折り紙付きの正真正銘のS級アイドルなのだけれど、ちょっと、いや大分プライドの高い性格が災いしてか、しょっちゅうスタッフの要望に口を挟んでいた。

うぅ、マネージャーとしてここは止めに行かなくては。

「すみません、うちの斎宮が…」

スタッフ達は先輩の不機嫌な様子に困惑しながらも、こちらこそすみません。と返してくれた。
あぁもう、こんなこと頻繁に起こってたらValkyrieに仕事回ってこなくなっちゃうよ…私はなんとか先輩をなだめつつ、休憩という名目でスタッフに許可を取り、楽屋に二人を連れ戻した。

「先輩、これで何回目ですか！あんまりああいう態度ばかり取ると仕事が回ってこなくなりますよ」

楽屋に入り、まだイライラとした様子で足を組んで座っている先輩に私は言い放った。

すると先輩は、フンッとした様子で「なぜこの僕がニコニコと愛想を振りまかなければいけないのかね？全く、ああいう仕事は影片に任せればいいのだよ。」
Valkyrieとして影片にもあまりやってほしくないがね、そう吐き捨てるように言った先輩は立ち上がり楽屋を出ていこうとした。

ガチャ、ガチャガチャ
「ん…？」先輩が不思議そうに声を上げた。
「どうしました…？」
「ドアが…開かないのだが…」
えっ、どういうこと？私は先輩に代わりドアノブに手をかけ、回した。
ガチャガチャ
「…開かない」閉じ込められた？とにかく助けを呼ばないと！そう思い、現場のスタッフに電話を掛けようとスマホを取り出した私を待ち受けていたのは「圏外」の２文字だった。
なんで！？ここってテレビ局内だよね？どうして圏外になっているの？頭の中に「？」がいっぱいになっていると、差出人不明のショートメールが届いた。圏外なのに、と不思議にお思いながら開いてみると、衝撃の内容が書かれていた。