検索窓
今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:8,774 hit

4.アイドルは真実を知る ページ4

〈Aside〉

「疲れた〜」

私は家に帰った瞬間ベッドにダイブする。

電気つける気力もない…

枕元に置いてある時計を見ると、p.m.10:30と表示されていた。

眠いし…でも課題やらないと…

寝かけている頭を無理やり起こし、起き上がる。

今日のことで思い出すのは、美門翼くんだ。

顔は良い。運動神経も良さそう。ダンスもうまい。礼儀正しい。頭もいい。しっかりしてる。

悪い所がない。そんな印象だ。

だけど、彼はこの世界に入るには純粋すぎる気もした。

時には、自分が悪だと思うことにも目を瞑らなければならない。

どんなにムカついても、笑顔で我慢しないといけない。

どんな理不尽なことでも、耐えて、耐えて、耐えて、限界が来ても耐えて、壊れそうになっても誰も助けてくれない。

「どうするんだろ……美門くん……」

私の小さなつぶやきは、そっと消えていった。





1週間後。

トゥルルルルル…ガチャ

「もしもし」

学校にいると電話がかかってきた。

スマホの画面には"KAITO"と表示されていた。

KAITO王子。クールボーイのメンバーで、同じ事務所に所属している。

同じ番組にも何度か出てるし、たまーに事務所でも会う。話も合うし、価値観も似てるから、仲良くなってよく連絡を取る。

「やあ、久しぶりだね」

「王子様、こんにちは。どうしたんですか?」

私はよくKAITOさんの事を王子様と茶化して呼ぶ。敬愛の意味も込めてるけど。

KAITOさんもそれをわかっているから咎めたりしないんだ。

「………実は_____________」







「え……?」





数日後。

私は朝起きてテレビをつけて、ニュース番組に切替える。

«クールボーイのメンバー、KAITOさんが稽古中に舞台の階段から落ちて怪我をし、入院していることが明らかになりました»

「……」

私の芸能活動のために一緒に上京してきてくれた母親が「えっ」と小さく声を漏らす。

「KAITOさんって、この間家に遊びに来た人よね?心配ね」

「……うん。心配」

私はトーストにかじりつきながら空返事をする。

この反応というのも、私はKAITOさんから今どこにいるのかも、どうして怪我をしたのかも電話で聞いたからだ。

今KAITOさんは病院にいない。

クールボーイのバックダンサーの立花祐樹さんの家に泊めてもらっているらしい。

立花祐樹さんとは1度だけあったことがある。

だけど家がどこかなんて私は知らないから会いに行けない。

5.アイドルは探偵チームと出会う→←3.アイドルはアドバイスをする



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.1/10 (28 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
34人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

神崎 奏(プロフ) - きなこもちさん» ありがとうございます!私もアイドル王子編大好きなのでそう言っていただけてすごく嬉しいです!頑張ります! (2021年5月3日 23時) (レス) id: 6afd15d5e6 (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち - 私、アイドル王子編好きなんですけど、この編を書いていらっしゃる方がなかなかいなくて・・・なので嬉しいです! 続きを楽しみにしてます!これからも無理のないよう更新頑張ってください! (2021年4月30日 23時) (レス) id: 670cc138d5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:かおり | 作成日時:2021年3月23日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。