友達以上、恋人未満。【東リべ】 (ページ8)

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陸ページ8

勇気をだしてそう言うと、真一郎はゆっくりとこちらを見た。

目は見開かれていて、顔は真っ赤。口も半開きだ。

「なんっ……」

今度は真一郎の口から変な声が漏れた。

脈ありだって、思ってもいいのかな…？

「付き合ってくれる？」

2つ目の言葉はさらっと言えた。

真一郎を見ていたら、逆に私が緊張しなくなってしまった。

「オマエが20になっても、まだ俺の事好きでいてくれたら、また俺に告白してくれねぇか？……そしたら絶対(ぜってぇ)付き合うから」

真一郎は真っ赤な顔で、だけど真剣な瞳でそう言った。

さすがにまだ制服着てる女ともうすぐ22の男はすぐに付き合えないらしい。

「……それって、私のこと好きってことだと思っていいの？」

真一郎の腕を掴む手に力が入ってしまう。

「……あー…いいんじゃねぇの？」

私から目を逸らして赤い顔を隠すようにそっぽを向いた真一郎は、確かにそう言った。

私は嬉しいさと小っ恥ずかしさで、真一郎に抱きつく。

真一郎は、嬉しそうに笑ってたっけ。

..｡.:.+*:ﾟ+｡ .ﾟ･*...｡.:

「………ん」

目を覚ますと、講義の途中で、私は慌てて前を向く。

懐かしい夢……

佐野真一郎。

彼の死が与えた影響は計り知れない。

ワカくんたちとも、真一郎が死んでから会っていない。

みんな、今頃どこで何してるんだろう。

*

7月7日。

その日は大学の講義がなくて、休みだった。

予定がない日は、アラームもかけずに寝るのが習慣で、起きたのは昼過ぎだった。

「んん……眠た」

携帯を開くとメールがきていた。

知らないアドレスだ……

──────────

件名:なし

○○で喧嘩賭博が行われています。

助けてください。

┈┈┈END┈┈┈┈

──────────

「何これ……」

知らないアドレスから怪しいメール。

喧嘩賭博って……何だそれ。

思わず顰めっ面になりながらベッドから降り、身支度を整える。

着替えていたら寝ぼけていた頭がだんだんスッキリしてきて、記憶も整理されていく。

そうだ、私、何日か前に酔っ払った日…リンチされてるところに遭遇して連絡先渡した気がする。

助けてくださいって、何から…？誰を？

切羽詰まって送ってきたメールなのか、大事なところが結構欠けている。

もしかしたらイタズラかもしれないけど……

「……行ってみるだけなら」

私は、万次郎の番号に電話をかけた。