二十杯目「貴方を知ろう」 ページ21
A:…
よろしくとは言ったものの、ここは実質私の家だから私がこの子を養う形になるのか。
…正直面倒。
髪留めとやらを探す羽目になるか。
……見つけてもすぐ帰れるというわけではない。
妖怪…見た通り話す通り私の印象とは大きく違う。
次元的に別世界なのだろう。
次元の扉はありえないくらい存在する。
なのでそこから一つの世界で無くした一つの髪留めを探すなんて普通の神でも悲鳴をあげるだろう。
''普通の神様''ならね。
まぁ、今の私はただの人間サマだし。
…本来神様は誰かのみに尽くすとかそういう事しちゃ駄目。
まぁこの状況の為にこの私が動くなんてありえない話。
……いっそもうこの子の記憶を消してあのゲート潰して帰らすとかしてもいいんだけど。
私のいた世界では妖怪はとても珍しい存在なので、少しだけゲーム感覚に楽しませてもらうよ。
……悪役みたいな台詞。
とりあえずこの子の事を知ろう。
A:質問、いいかな?妖怪についてと、君について。
ピクッと反応する小さなゆきおんなさん
ゆ:…どうぞ。
A:簡単な質問さ。私はこんな可愛らしい妖怪さんなんて見たことがなくてだね、君の世界について、教えてほしい。ちょっとした時間つぶしとでも思ってくれればいいさ。
ゆ:か…かわっ
頰がほんのり赤く染まる
A:…失礼。妖怪だものね、そう言われるのは癪か。
ゆ:いっ…いぇっしょんにゃ…っ!
噛んだからか顔を隠す。耳まで赤いのが見える。いじめるのは可哀想か。
・結構シャイ。
A:ごめんよ、少しからかいすぎたね。あぁ、楽な体勢でいてよ。
自分の隣…丁度腰掛けているベッドを叩きここに座れと合図する。
ゆ:…
わたわたしながら長靴を脱いだかと思えば長靴を抱き抱えてぴょんと乗り、隣に正座する。
いつぞやの少年よりは利口らしい。
・利口。
A:…まず一つ、妖怪って飲食はする?
一瞬ぽかんとしかけたが返事を返す。簡単な質問とは言葉通りの意味だ。
ゆ:えっと…するよ。
A:ふーん、じゃあ好物とか存在するの?
ゆ:うん、みんなそれぞれ好きなものはあるんだ。
A:そっか、という事は空腹感とかも存在したり?
ゆ:するよ、私達がいたところに妖魔界っていうところがあるの。そこでは沢山食べ物とか売ってるからお昼とかそこで食べている妖怪も多いかな、みんな美味しそうに食べるのよ。
(へぇ、妖魔界、ねぇ………)
5人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:桜蘭 | 作成日時:2019年8月15日 13時