続・どうしよう、これ【歌い手】

episode42 ページ44

Aside

何日も経って、やっと退院。

お医者さんや看護師さんに、

｢ありがとうございました｣

ってお礼して病院を出て、真冬くんと家に帰る。

真冬くんが携帯をいじって、私の携帯がピロンと鳴る。

なにかツイートしたんだな、とTwitterを開いた。



まふまふ@＿＿＿＿

今日の20時に配信します。大事なお知らせがあるからみんな来てね！



｢……私のこと？｣

｢うん｣

……うん、確かに私退院してからって言ったもんね。間違ってはない。

でもこれだといいお知らせって勘違いされるんじゃないかな……。

｢いいお知らせも一緒にするから大丈夫｣

｢あ、声に出てた？｣

｢うん、バッチリ出てた｣

うーん……気が緩んでたかな。

｢ところでいいお知らせって？｣

｢……僕の声が入った有料目覚ましアプリが出るよって話｣

恥ずかしそうな声音で言う真冬くん。顔が林檎みたいに真っ赤。

｢……確かにいいお知らせだね。ファンとしては絶対買いだと思うよそれ｣

と言うと真冬くんは少し黙った。なんか不満そうだけど、どうした。

｢……Aちゃんは買わなくていいからね、僕が起こすから｣

ぼそりと言われた一言に

｢どうしたの急に｣

と笑った。

だいたい、いつもは真冬くん徹夜してるか私より起きるの遅いかのどっちかだろうに……。

｢なんでもない！｣

とまた白い頬を真っ赤に染める真冬くんは可愛かった。

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