episode36 ページ38
Aside
まふまふさんのラバーストラップをバッグに付けた女性を道案内してから2週間。
帰り道に誰かが後を付けてくるようになった。1週間前から付けられてる。
……まあ、その度に路地に飛び込み、右に左に曲がってまいてるけど。
1週間我慢したけど、もういいかな。そう思って、今日は朝から真冬くん、一ノ瀬さん、千葉に待機して貰ってる。
歩いていると、後ろからコツコツと足音と、憎悪のこもった視線。
立ち止まってバッグを確認する振りをして後ろを確認すると、足音がピタリと止まった。
やっぱり、道案内をした女性が後ろに立っていた。
真冬くんと千葉に、LINEを送り、場所を伝える。
来た、つけてる人。白いバッグ持ってる30代くらいの女性。バッグにまふまふさんのラバーストラップ。
即座に千葉と真冬くんから『了解』と返事が返ってくる。
また私が歩き出すと、後ろで何かが反射して光った。
そして、後ろから走ってくる足音。
振り向くと、出刃包丁を持って、そいつが全力疾走してくる所だった。
いや、どこに持ってたんだよ!?そして刃を上にして走ってくるな、怖いんだよ!!
とりあえず全力疾走でまっすぐ逃げる。今日は会社から出る時スニーカーに履き替えてて良かった!!
でもこのままだと真冬くん達が来る前に力尽きるな。
……腹を括るしかないか。
くるりと振り向いて、対峙した。
「なんでお前みたいな奴が!まふまふさんの彼女なの!?ふざけんな!!」
と怒声を上げながら包丁を振り上げる彼女。
避けきれず、腕が切れて、血が垂れた。
左腕に力入んないじゃん!と思いながら、
「お前みたいに逆ギレして人に危害を加えないからだよ!!」
と叫び、彼女の両手首をまとめて掴む。
「だいたい、そんなに好きなら好きな人の幸せを願え!!好きな人の大切な人が傷ついたら好きな人が悲しむなんて小学生でも分かるでしょうが!!」
煽りにしか聞こえないのかもしれない、私の声は届かないのかもしれない。でもどうしても言いたかった。
「好きな人の幸せを1番に願って、自分が隣に居ていいのか考えて。
付き合う時だって私は散々迷った。真冬くんが私と付き合ったら不幸せにならないか。
相手のことをちゃんと考えて、ちゃんと離してあげられるっていうのも愛だと思う!」
これは私のエゴにしか過ぎないかもしれないけど、それでも、伝わって欲しかった。
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櫻子(プロフ) - もつにゃさん» ありがとうございます!色々あって土日にしか更新できていないのですが、更新も頑張りますね! (2020年7月23日 7時) (レス) id: 4de55d417a (このIDを非表示/違反報告)
もつにゃ(プロフ) - うわ、めっちゃ神作品ですね...!更新頑張ってください! (2020年7月23日 0時) (レス) id: 078eae7c90 (このIDを非表示/違反報告)
櫻子(プロフ) - 外し忘れてました!ごめんなさい、すぐ外します! (2020年3月12日 15時) (レス) id: 4de55d417a (このIDを非表示/違反報告)
ぽてつ(プロフ) - オリジナルフラグがはずれていません。二次創作物の場合は外さないと違反になり、最悪の場合作品が消されてしまいます>_<そうならない為にも外される事をお勧めします。 (2020年3月12日 14時) (レス) id: f3105f5f12 (このIDを非表示/違反報告)
氷雪(プロフ) - 続編おめでとうございます!この作品大好きです!これからも更新頑張ってください! (2020年3月12日 12時) (レス) id: b6ee0e20db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:櫻子 | 作者ホームページ:http://mmm:wako
作成日時:2020年3月12日 12時