初の可視化出来るゴースト ページ14
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と、まあ結局三人…二人と一匹でバケツを取りに行くことになったのだが、やはりオンボロ寮と言うだけあって色々出そうな雰囲気。
歩く度に床がギシギシと軋む音がする。
「ねえ、Aの言う通りだったね」
『え?何が?』
「グリムとまた会えるって言ってたじゃん。Aの勘って凄い当たるんだね」
『あー…そんな事も言ったっけ?…でも、当たって欲しくない事まで当たるのだけは、もう勘弁して欲しいとは思うけど』
私の勘って、本当千差万別で、当たって欲しくない事とかよく当たって…。
あの時だって、私を庇って快斗が怪我しちゃったし…。
なんて、思い返していると、ユウ君が心配そうに私の顔を覗き込む。
「A…?」
『…ううん、何でもない!さ、早くバケツを探そ……ユウ君。幽霊って本当に居たんだネ』
「え?幽霊…って、わあ!!?」
「ん?何叫んで…ギャーーーッッ!!」
前を向き直した時、シルクハット被ったザ・ゴーストです、と言った感じのものが三つも居た。
しかも目の前に。
それを見た私もユウ君もビックリ。そしてグリムもビックリ。
ひひひ…とか、イッヒヒヒ…とか、とんでもなく気味の悪い笑い声をするゴースト?幽霊?(一緒か…)は、何処となくだが嬉しそうに見える。
「久しぶりのお客様だあ〜…」
「腕がなるぜぇ〜」
「イーッヒッヒッヒ!」
「「ギャーーーッッ!!」」
『で、出たぁあああああッッ!!』
さすが魔法世界でオンボロ寮!!
お化けも見えちゃうなんて予想してませんでした!!
てかお化けの住処になってるし!!オンボロだからでしょこれ絶対!!
いやいや、え?これどう言う状況?話通じます?会話出来んのかな…。
『え、え〜と…』
「ここに住んでた奴らは、俺達を怖がってみーんな出て行っちまった」
「俺達ずっと新しいゴースト仲間を探してたんだ。お前さん達、どうだい?」
そう言いながら私とユウ君に詰め寄って来るゴースト達。
近いとやはり迫力が凄い上、なんだか凄く肌寒い。
近付くだけで周りの温度が一回り下がった気がした。
ひええ…!
…ん?ゴースト仲間?
私ら人間ですけど?生きてるんですけど??
必然的に無理じゃね?
それを言おうか言わまいかと悩んでいると、グリムがブルブルと震えながら怖くないと言った。
その直後、「ふんな"ぁあ〜〜!」とあの入学式の時と同じ青い炎を出した。
…いや目瞑ってんじゃん。
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作者名:サヒア | 作成日時:2020年5月7日 2時