３．薬 ページ3
仕事が進まない。
何故なら、この人がずっと見つめてくるからだ。
さすがの俺でも、緊張してしまう。
「あ、あの・・・何か用スか？」
「いいえ？」
さっきからこの繰り返しである。気まずいことこの上ない。
そんな変な空間に着信音が鳴り響いた。
「・・・はい、白澤様。何ですか？」
《ゴメン桃タロー君！あの朴念仁に頼まれてた薬忘れてた！作れる？》
相手は白澤様。なんと注文されていた薬を作るのを忘れていたらしい。
鬼灯さんからメールを貰い、それが発覚したようだ。
「ああ、この注文票にあるやつですね。わかりました」
《お願いね。完成したら瓶に詰めて置いといて、明日取りに来るらしいから》
注文されていた薬は、俺が最近覚えた物。
自信はないが、あの鬼を怒らせない為にもやるしかないだろう。
片付けたばっかり薬草を出し、作り始める。
あの草は切って、それを磨り潰して、それらを全て煮込んで・・・。
慣れない手つき、緊張している状態。起こる事は予想が付くだろう。
そう、俺はとある薬草を入れ忘れた。つまり、失敗。
“あー・・・作り直しか”と思っていたところに、
「作り直すの？」
話しかけてきた。
「え、まぁ・・・ミスっちゃったし」
「これはまだ大丈夫よ。ちょっと貸して」
立ち上がって、俺の横にくると薬草を取り上げた。
「ちょっ！？何するんですか！？」
「この草、後から入れても問題ないわね。
すぐに火が通りやすい物だから、しっかり混ぜれば大丈夫よ」
躊躇なく鍋にそれを入れて、かき混ぜ始めた。
俺のとは違い、こなれた手つきで次々と手順をこなしていく彼女を、
見守るしか出来なかった。
「はい、完成。ね？問題なく出来たでしょう？」
彼女は、完成した薬を入れた瓶を片手に、まるで花が咲いたように笑った。
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邪鬼(プロフ) - 面白かったです！実は私も鬼灯の冷徹の小説を書いてまして……見ていただいて、感想を聞きたいんですが、良いでしょうか？邪鬼と検索していただければ出ると思うのでよろしくお願いします (2015年4月22日 11時) (
レス) id: a29773be95 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくり - 白澤様可愛い( 〃▽〃) (2015年3月23日 22時) (レス) id: 77c0a4e85d (このIDを非表示/違反報告)
ハル@雪割桜(プロフ) - あの人=鬼灯様www？ですよね？ (2015年1月11日 15時) (レス) id: 9e20382275 (このIDを非表示/違反報告)
ユー - 面白いですｖ（＾＿＾ｖ）♪ あの人とは、鬼灯のことだな。 (2015年1月11日 10時) (レス) id: b1b06edd92 (このIDを非表示/違反報告)
いちご100% - 更新楽しみにしてます！これからも頑張ってください！等著更新(更新待ってます！) (2015年1月11日 1時) (レス) id: 7bd7a909e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅鬼灯 | 作者ホームページ：
作成日時：2014年10月12日 9時
