【鬼灯の冷徹】白澤様より一枚上手な女性がいるようで

１．空き部屋 ページ1

俺、桃太郎が桃源郷に来て約１ヶ月。
漢方薬局「極楽満月」での仕事も板について来た頃のこと。

俺には、どうしても聞きたい事があった。

「白澤様」

「んー？何ー？」

白澤様は昨晩も遊び回ってたらしい。
ソファーに寝っ転がりながら、首だけこちらに向けて返事をした。


「あの、白澤様の部屋の横にある、空き部屋何ですか？」


この店には、使ってない部屋があった。
白澤様の部屋の奥。割と広い部屋で、きちんと片付けられている。
ベッドやタンス、鏡など、生活に必要な家具は一通り揃っている。
が、主がいない不思議な部屋なのだ。


「・・・ああ、そっか。君は会っていないんだっけ」


ふっと優しそうに笑う。


「確か、今日の夜帰ってくる予定だよ。その部屋の主さんがね」

「どんな方なんですか？」


同居人となる''その人''の事を聞くと、
白澤様は“んー・・・”と考え込んだ後に、こう言った。


「この僕より一枚上手な女性だよ」

２．訪問者→

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