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あんずside
父親の登場に呆然としていたあなたの名前だったが、すぐに気を取り戻して話し出す。
『…私は、音楽の道には進まない。夢ノ咲学院の、アイドル科に通う。』
しっかりと父親の目を見ながら、あなたの名前は宣言する。
あなたの名前のお父さんは”音楽の道には進まない”のところで険しい顔をしていた。あなたの名前のお母さんのほうへと視線を投げて、目が合うと2人で頷いた。
「わかった。父親としては、おまえの考えを聴いてやるべきだった。すまなかった。
……アイドル、役者…どちらでもいいが、おまえが将来ステージに立つのなら、譲れないことが一つある。音楽の道に進まないのなら、これだけはちゃんとしなさい。
周りに甘えないで、1人でステージに立てるようにしなさい。」
その言葉に、私や衣更くん、凛月くんの視線があなたの名前に集まる。
私たちは、あなたの名前の演劇科でのことを知っているから。あなたの名前の、ステージへのトラウマを知っているから。
『1人でもステージに立てるように、1人でも観客全員を楽しませることができるようにするよ。』
あなたの名前は、ふわりと笑って言い切った。
『今はまだできなくても、いつかちゃんと乗り越えて。1人のステージで、笑って魅せるよ。』
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雪月詠 - 今までありがとうございました! (2022年7月22日 18時) (レス) @page50 id: ec1ca7135a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪月詠 | 作成日時:2022年5月2日 23時