空気だと思ってください【すとぷり】

レンジ爆発ってなんすか。怖いっす。 ページ5

玄関で靴を脱いでいると奥からドタドタと足音。

見ると、赤髪アシメさんと黄色いトレーナーを着たお兄さん。

どちらも若そうだけど私よりは年上っぽい。

「なーくん！莉犬が電子レンジ壊しましたぁ！」
「はっ！？俺じゃない！！おいるぅと！」

「こら！お客さんビックリしてんじゃん！」

大騒ぎなお2人をなだめたのは紫さん。

「ごめんねぇ〜、リビングこっちだから入ってどーぞ！」

ピンクさんに手を引かれてリビングへ入る。

ソファに座らされて、暖かいお茶を出してもらった。

リビングとキッチンは繋がっているようで、キッチンの様子がソファから見えた。

電子レンジからもわんと煙が上がっている。

アシメの人と黄色さんもリビングに入ってきて、キッチンの片付けを始めた。

「るぅちゃんがイカをチンしちゃうからさぁ〜」
「いや莉犬も止めてくれなかったじゃん！」

言い合いを続ける2人からはヤクザのような怖い感じはしない。

向かい側に、紫さんとマグカップを持ったピンクさんが座った。
紫さんが咳払いをして話し始める。

「んーっと、まず俺はななもりって言います。
一応この家の家主。
この家では6人で暮らしてます。
今他の2人は出かけてるんだけどね。」

何から話せばいいかなーと首を捻るななもりさん。

「組長、丸焦げのイカどうしますかー？」

キッチンからそんな言葉が飛んできた。
組長！？やっぱりヤクザなんじゃん！

「あ、ああ違うよ！あだ名みたいな感じだから、ほんとにヤクザじゃないから安心して、ね？」

私の気持ちを汲み取ったのかピンクさんが話してくれた。
話し方からして嘘はついていないっぽい。

「あ、はい……」
とりあえずヤクザじゃなくてよかった。

でも、レンジぶっ壊すって相当やばいなぁ。

関西弁お兄さん激おこ。→←逃走、失敗。

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