逃走、失敗。 ページ4
「あれ、今日のご飯当番誰だっけ〜?」
「たしか、るぅとと莉犬っすよ」
「んー、壊すなら小さい鍋にして欲しいなぁ」
「壊すの前提なんすか」
そう言ってゲラゲラと笑うピンクさん(仮)。
逃げられないよう、紫さんとピンクさんにがっちりと挟まれて頭上ではそんな会話が飛び交っている。
結果から言うと、私は逃走に失敗したのだ。
遡ること数分前。
危険を感じとった私はピンクさんの腕を振り払ってとにかく逃げた。
短足チビなりに頑張ったのだ。
息が切れるくらい頑張って走ったのだ。
だがその努力も虚しく、眉ひとつ動いていない紫さんにあっさりと捕まってしまった。
「君…AAちゃんやね?」
この人たちが探しているのはやっぱり私だった。
まずは、知らないふりをして逃げようと試みた。
「いやっ、違いますけどぉ! 」
裏返った。恥ずかしかった。
「あー、この子っすねどうします?」
「んー逃げられたら探すの大変だし、とりあえずうちに来てもらうかぁ」
変な汗を一気にかく。
「とりあえず、着いてきてな?」
紫さんがにっこり笑って言う。
その笑顔が怖くて、とりあえず頷いてしまった。
「あの、お金、まだ返せないんです…
新しい家が決まったらちゃんと住所お伝えするので、解放して貰えませんかね……?」
「え、いや、え?」
驚いた顔をする2人。
「あ、あの臓器売買だけは……」
「いやいや、俺ら取り立て屋ちゃうで?」
ピンクさんはケラケラと笑っている。
え、じゃあどちら様でしょうか。
すんなりと身柄を確保しておくための嘘という可能性も捨てきれない。
落ち着け自分。
まだ警戒して、でも動揺は悟られないように。
「君の新しい保護者だよ」
臓器をなくした私をちゃんと世話してくれるということですかね。
とても怖いです。
怯える私をよそに、ピンクさんはずっと笑っている。
「おなかイタッwwwふふっw
まあ、家に着きましたし、詳しい話は中に入ってからでいいんじゃないすか?」
紫さんに招かれてビクビクと家の中へ入った。
結構広めのおうちっぽい。
見たところ、『ヤクザッ!』って雰囲気でもないし。
もしかしたら本当にいい人なのかもしれない。
レンジ爆発ってなんすか。怖いっす。→←細い道、ヤクザかもしれない人とこんにちは。
740人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
(・ω・三・ω・)フンフン(プロフ) - あれ?終わっちゃった? (2020年2月29日 19時) (レス) id: 1eed865d70 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - これって完結しちゃったんですか? (2019年4月17日 18時) (レス) id: 68d4b88e6d (このIDを非表示/違反報告)
ちゃにぽん(プロフ) - あろんさん» 了解です!リクエストありがとうございます! (2019年3月12日 20時) (レス) id: ea06f6d734 (このIDを非表示/違反報告)
あろん - 面白いです!リク良いですか?ころんくんが、主にお酒飲ませて、2人でイチャイチャしてほしいです!! (2019年2月25日 11時) (レス) id: a27ddc237a (このIDを非表示/違反報告)
ちゃにぽん(プロフ) - いちさん» リクエストありがとうございます!書かせていただきます! (2019年1月29日 20時) (レス) id: ea06f6d734 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちゃにぽん | 作成日時:2018年10月30日 16時