番外編2 雨の日の ページ34
放課後。
私は雨が降るとは知らずに傘も持ってきてなかった。雨足は一向に強くなるばかり。
というわけで、今は下駄箱で雨宿り中。
「何やってんの〜？」
声のする方を見れば、傘を片手に持った瀬名がいた。
「お、瀬名さん。いいところに」
「何だか嫌な予感しかしないんだけどぉ…。どうしたの」
「私ね、今日傘を忘れたの」
「へぇ」
「だから、その傘ちょーだい♡」
精一杯可愛く言ってみる。こんな事するのもお前だけだからな。
「可愛く言ってるつもりなんだろうけど気持ち悪いだけだからぁ」
「はぁ！？」
あまりに衝撃な言葉に何も言えず固まっていると、瀬名はバサッと傘を広げて下駄箱を出ていた。
「ちょ、帰るの！？」
「当たり前じゃん…」
なんて非情なやつなの！？彼女が苦しんでいるのに！
すると、瀬名はふぅ、と軽い溜め息をついた。
「…俺の隣なら空いてるけど」
聞こえるか聞こえないかぐらいの声で言われたからすぐには反応出来なかった。…いや。動揺してるのかな…？
「えええ、と。つまり…？」
「あーっ、もういちいち言わせないでよねぇ！」
「わっ…！？」
なんと瀬名は、私の腕を引いて傘の中に入れてしまった。
「はい。これで満足でしょ？俺の近くにいれて、雨にも濡れない。一件落着」
やばい。恥ずかしいとか、照れるとか、まぁそうなんだけど…。
……かっこいい。それ、反則だから。
「…ありがと」
「んー？聞こえなーい」
こいつ…わざとらしい…！！
「あ、ありがとっ！」
「よしよし。良い子良い子♪」
そう言って、瀬名は満足そうに頭を撫でてきた。いつもなら逃げるんだけど何せ狭い傘の下、逃げれるわけもない。
てか、いちいちかっこいいんだよ…瀬名のくせに…。
あんたに何回惚れればいいのよ、私は。
「今日はAがデレてるから俺は満足だよ」
ほら、すぐそういう事言う。
「で、デレてないし！」
正直言って、瀬名とそういう関係になるなんて考えてもなかったし、これからどうやって接すればいいのかわからなかった。
でも、やっぱり今、幸せだなぁ…って思う。
「…
何て、気付かれないように呟いてみる。
「ん？何か言った？」
「別に！」
ニッと笑って答える。
明日も雨降らないかな…なんて思いながら。
＿＿END
泉さんとAさんの絡みが少ないので入れてみました。
ちゃんと出来てますかね？？心配です…！
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水猫桜(プロフ) - ほたるさん» コメントありがとうございます！瀬名さんのツンデレ具合を上手く表現出来るよう頑張ったので、可愛いと言っていただけてとても嬉しいです！初のあんスタ作品ですが、楽しんでいただけたなら幸いです(*^^*) (2017年8月25日 17時) (
レス) id: 1dfbcfc948 (このIDを非表示/違反報告)
ほたる - 瀬名さん！！！可愛すぎかよ！！！完結おめでとうございます！！！ (2017年8月25日 16時) (レス) id: 836cda0430 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水猫桜 | 作成日時：2016年9月19日 13時
