１９ 嘘 ページ20
言うべきか、言わないべきか。
Aが迷っていると、レオがふっ、と息を吐いた。
「嘘だよ」
「え」
「だから、俺別にお前の事好きでもないし」
いつもの笑みを浮かべて喋るレオに怒りを覚えるも、それはやがて呆れへと変わった。
「は、はぁ？何言ってんの？」
「…もし、今告白したらどうなるかなと思って」
「どういう事？」
「実際どうなんだよ。あれだけ迷ってたって事は…やっぱ何かしら考えてる事があったんだろ？」
図星だった。
それはAの秘密のことでもあるし、何よりも…
…泉の事が、頭から片時も離れなかった。
(じゃあ…無意識に出た、「ダメじゃない」ってなんだよ…)
レオのことは嫌いでもないし、どちらかと言えば好きと言ってもいい。
しかし、それは友達としてだったらしい。
いざ「付き合おう」と言われても、正直ピンとこない。
ただ、レオの隣の居心地がよかったから、無意識に言葉が出たのだろう。
(私は、月永とは男女の関係になれないみたいだ)
それなら、逆に＿
(瀬名なら、別に＿)
「もしかして、好きな奴いたりする？」
レオはあえて質問してみた。
「…いるかもしれない」
思いのほか、すんなりと言葉はでた。
「ただ、男の人を好きになるなんてあまりないから…それが好きっていう感情なのかわからない」
それを聞いたレオは茶化す事もなく、またにっこりと笑った。
「そういうのって、いいな！自分の恋心に気付く瞬間…！これはいいインスピレーションが降ってくるぞ！！」
「私を作曲の材料するんじゃないっ！！」
ああ、好きだな、こういう感じ。
「じゃ、もしそれが恋ってわかったら、その相手と結ばれてハッピーエンドだな！」
レオの言葉にAは固まった。
「ん？どうした？」
「それは…できない。やっちゃいけない。私は、想いを告げる事は出来ても、誰とも結ばれちゃいけないんだ。私にハッピーエンドは…来ない」
「は…？言ってる意味がわかんねーよ」
「ごめん、今はそれしか…。けど、時が来たらきっと、いつか言う」
最後は、満面の笑みでその場を離れた。
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水猫桜(プロフ) - ほたるさん» コメントありがとうございます！瀬名さんのツンデレ具合を上手く表現出来るよう頑張ったので、可愛いと言っていただけてとても嬉しいです！初のあんスタ作品ですが、楽しんでいただけたなら幸いです(*^^*) (2017年8月25日 17時) (
レス) id: 1dfbcfc948 (このIDを非表示/違反報告)
ほたる - 瀬名さん！！！可愛すぎかよ！！！完結おめでとうございます！！！ (2017年8月25日 16時) (レス) id: 836cda0430 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水猫桜 | 作成日時：2016年9月19日 13時
