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藍色の瞳 ページ25

目の前にマリンブルーの海が広がっている。





海の蒼と空の蒼






砂浜の白と雲の白








蒼と白の二色だけ。







そして静かな波の音が聞こえる。






真っ白に輝く湾曲した砂浜に誰かが立っている。









゛美風…先輩?”






「違うよ。僕は藍じゃない。」








美風先輩にそっくりな容姿の彼。






声までそっくり。






藍色の瞳で私を見つめてくる。









゛じゃあ…貴方は誰?”








「…僕は藍の…一番近くにいる。」









゛一番近く?”






「そう、近く。」









彼は目を伏せた。






これ以上詳しくは言わない、そんな雰囲気が感じられる。









「君は…あまり、藍に近づかない方がいいと思うよ。」







゛どうして?どうして…そんなことを言うの?”









「藍のことを深く知れば知るほど…最後がつらいから。」








゛…最後?”









彼は私の質問に答えることなく空を見上げた。






「…君もここにいたら?」




潮風が彼の髪をわずかになびかせた。







「ここに居続ければつらくない。」







「これからの君の心も、ずっと平穏なままだ。」








彼は悲しそうな瞳で呟くように言った。








゛でも…私は、美風先輩と一緒にいたい。”






彼はため息をついて、私に目を向ける。








「これから、きっと君は傷つくよ。藍のことで。」









゛…もし、仮にそうだとしても…私は、美風先輩が…――…だから。”






彼に、はっきりと告げたはず。





だけど自分の声が自分自身に聞こえなかった。







なぜだろう…。







「…そうだと思ってた。それなら…もう、仕方がないのか。」








彼が私の方に手を伸ばす。







だけど、突然どこからか桜の花びらのようなものが舞い込んできた。





一瞬にして彼の姿が見えなくなった。









「…もう、君に会うことはないのかもしれないね。」









「さようなら。」









目の前は真っ黒。




彼の言葉だけが耳に響いた。

小悪魔→←寝るなら――…ー藍side−



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美風藍 - とても「キュンキュン」しました(≧∇≦)続きが楽しみで (2015年2月10日 0時) (レス) id: d1981d3c2a (このIDを非表示/違反報告)
佐久間照美♯佐久美(プロフ) - モカさん» お待たせーしましたーほーしを夜空へー((ごめんなさい。ふざけました。本当にお待たせしました!! (2014年7月28日 10時) (レス) id: 0858bc9946 (このIDを非表示/違反報告)
モカ - あの…続き……待ってます、ね?(^^;) (2014年7月10日 23時) (レス) id: 12df83e083 (このIDを非表示/違反報告)
佐久間照美♯佐久美(プロフ) - モカさん» そうですね(笑)翔ちゃんだとシリアスが…壊れますね(笑)でも、それが翔ちゃんです!!頑張りますっ(^^)!! (2014年6月22日 20時) (レス) id: 0858bc9946 (このIDを非表示/違反報告)
モカ - 翔ちゃんの反応wwアイドルというより、バライティですよね!カワイイすぎるよぉ(^q^)オゥフ更新頑張ってください!! (2014年6月22日 6時) (レス) id: ba09b8b0f2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:佐久間照美♯佐久美 | 作成日時:2013年12月26日 11時

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