その笑顔……22 ページ23
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『かんせーい!』
所狭しと厨房の作業台を埋め尽くした料理の数々。
最終的にはひき肉の余りを見付けたので、ミニハンバーグまで追加してしまいましてですね。
正直、出来上がった量が想像より多くて、あの……。
美味しそうだしお腹は空いてるので、食べられる!という謎の自信に溢れている私は今だけ無敵。
でもこれは仮初の無敵状態だから……絶対に途中でギブアップするのは火を見るより明らかな訳でして。
『取り敢えず、間違いなく食べられる分だけ少しずつ取ってビュッフェ方式で……余ったらタッパーかお弁当箱にでも詰め込んで冷蔵庫!』
腹が減っては戦はできぬので、兎にも角にも食欲を満たそうと思います……。
『ご馳走様でした!』
お腹いっぱいまで食べた私は大満足です。
という訳で、この大量に残ってしまったお肉達をお弁当箱に詰め込みます。夜食べるにしても、お弁当箱だったら色々楽チンなので!
お弁当箱に入り切らなかった分はタッパーに詰めて、と。
空いた食器と使用済みの調理器具を片付け、部屋へと戻る。
朝食と片付けが終われば時間は思ったよりも過ぎていて、時計の針は9時前。ハイ、朝から料理に気合を入れすぎました、反省と後悔はしていません……。
折角出掛けるのであればオシャレをしたいと思い立ち、普段は軽くしかしていない化粧をいつもより丁寧に顔に乗せる。
服装も、女の子らしくフレアスカートをチョイス。
女子の準備に時間が掛かるのは当たり前なので、気が付けば10時を過ぎていた。
そろそろ出ようかな、と鏡で最終チェック。
厨房にいた四木さんに挨拶をして、厨房に続く扉とは逆の扉を開ける。コッチは余り使わないのだけど、食堂近くの廊下に繋がる扉で。
ルンルン気分で扉を開けた私。
『ッッ!!』
フラフラと覚束無い足取りの人が目の前を通り過ぎたのですが、アレは人間で間違いないですか?
白い長髪とチャイナ服。顔色も良くなかった気がするし……普通に怖過ぎて扉閉めてしまったのですが。
急激に働き始めた心臓を落ち着けるため深呼吸を一つ。
見間違いかもしれないという期待を胸に、露木A、もう一度外を確認しようと思います……!
『ぁ、や、はわ……』
「……」
『し、しつれい、しました……ヒェッ!』
結論から言えば見間違いではなかったし、ちゃんと人間っぽいです。
でも、あの、その……扉に掛けた手を、離してもらえれば大変助かるのですが……ダメですか?
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瑠璃(プロフ) - 初めまして。とても楽しく読ませていただきました。できれば続編希望します。 (5月18日 22時) (レス) id: f3335c8e16 (このIDを非表示/違反報告)
アカネ(プロフ) - 終わったんか🥺 (2023年3月20日 22時) (レス) @page42 id: eb117a410a (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - にじさーん!!オプチャのサツキです。大分前にコメしたことがあるんですが・・ホントに更新楽しみにしてます!お時間ある時でいいのでいつまでも待ってます! (2023年2月18日 22時) (レス) @page42 id: 075aa05b66 (このIDを非表示/違反報告)
ノア - ほんっとに面白くて最高の作品に出会いました!!続き楽しみです!! (2023年2月16日 23時) (レス) @page42 id: a500e3a75b (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 最高です大好きです文才が天才すぎます、、良ければお時間ある時に更新お願いします、、完結までついていかせてください、、 (2023年2月11日 17時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にじ | 作成日時:2022年7月28日 0時