その笑顔……23 ページ24
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ツリ目の美人さんと無言で扉を引き合うこと、数分。
いや、あの……力つよ……え?この人、これで本調子じゃないって怖い。というか扉、開いてきてませんか??
それに加えて無言なのが本当に怖いです、タスケテ……。
「…………っ、た」
『……え?』
「はら、へ、った……」
『……腹、減った?』
くっきりと残った隈に加えて、空腹?
私、お腹減ったという言葉に弱くてですね……もしかして、私が作った大量の肉料理がこの人を呼び寄せてしまった……?
いや、本当に料理の香りだけでここまで来たのだとすれば尊敬します。
『何か食べますか……?』
「食う」
『じゃあ、あの……中へどうぞ、』
「ん」
……思ったより声低いんですね??でも、美人さんだからかそのお声も大変似合っていて素敵です。
フラフラとした足取りの美人さんにヒヤヒヤさせられつつ、万次郎くんも使うようになったために新調した大きめのテーブルへと誘導する。
『料理、温めるので少し待っていてくださいね』
「……待ってる」
眠そうな声で返事をする姿は美人よりも可愛らしいという言葉が似合うかもしれない。目の保養だ……と心の中で拝みつつ自室に備え付けられたキッチンへと向かう。
普段は厨房を使っているため、自室のキッチンを使う事は少ない。それでも毎日の掃除だけは欠かさなかった今日までの私、偉い。
……取り敢えず、タッパーに詰めた料理と味噌汁を温めなおして。白米は……炊きなおす?
悩んだ末にちらりと視線を美人さんの方へ戻してみる。するとそこにはベッドに凭れ掛かり規則正しく体を上下させた姿があって、眠っているのだと気が付く。
睡眠時間も足りていなかったのだろうし、もう少し寝かせてあげたいと考えた私は白米の炊きなおしをすることに決めた。
『炊き上がりまで一時間くらいはかかるから……』
温めなおすのは白米が炊けてからの方がいいし……。
そうなるとやる事がないな?美人さんがどれくらい食べるかもわからないから料理の追加が必要かも謎だし……。
うーん、食器を用意して……あとは、流石に肉料理だけって言うのもアレなのでサラダとか用意しようかな。食事はバランス良く!なので。
生野菜のサラダを作るためレタスを千切り、和風ドレッシングとごまドレッシングを用意する。
……好みがわからないので、仕方ないのです。
『……今度は中華が食べたい気分に』
白米が炊けるまで、あと三十分。
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瑠璃(プロフ) - 初めまして。とても楽しく読ませていただきました。できれば続編希望します。 (5月18日 22時) (レス) id: f3335c8e16 (このIDを非表示/違反報告)
アカネ(プロフ) - 終わったんか🥺 (2023年3月20日 22時) (レス) @page42 id: eb117a410a (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - にじさーん!!オプチャのサツキです。大分前にコメしたことがあるんですが・・ホントに更新楽しみにしてます!お時間ある時でいいのでいつまでも待ってます! (2023年2月18日 22時) (レス) @page42 id: 075aa05b66 (このIDを非表示/違反報告)
ノア - ほんっとに面白くて最高の作品に出会いました!!続き楽しみです!! (2023年2月16日 23時) (レス) @page42 id: a500e3a75b (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 最高です大好きです文才が天才すぎます、、良ければお時間ある時に更新お願いします、、完結までついていかせてください、、 (2023年2月11日 17時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にじ | 作成日時:2022年7月28日 0時