トンネル 2 ページ45
学校帰り、私はいつもとは違う道を使っていた。
明日は土曜だから部室でゆっくり本を読もうという計画を立てたので、そのために行きつけの古本屋へと向かっていた。
最近何かと本が読めていない。
絶対明日は誰にも邪魔されず、本を読むために部室には鍵をかけるつもりでいる。
合鍵は口うるさい担任のモッチーが持っているから何かあればモッチーが開けるだろうけど、そんな来ることないから大丈夫。
まあ、もし来たならばお茶漬けを出してやればいい。
京都では、茶漬けを出されるのは、「帰れ」と言われているのと同じ事で、日本ならではの奥ゆかしい表現だったりする。
ストレートに帰れなんて言えない相手にはうってつけのアイテムだ。
ちなみに私は京都出身ではないが…。
そんなことより、オレンジに染まった空を見ながら先を急ぐことを考えた。
?「A!」
不意に名前を呼ばれ立ち止まる。
声のした方に顔を向ければ、そこには中学の時に知り合った奴がいた。青峰大輝だ。
青峰の近くには青峰と同じ制服を着た男が何人かいる。
みんなで仲良く集団下校だろうか?
青峰がいる時点でそれはないだろうけど。
貴『久しぶり。今帰りか?』
青「いや、病院。さつきの見舞い」
そういえば、青峰の幼なじみの桃井さつきがここにはいなかった。
何かと2人は一緒にいるのを見てたから、少し違和感がある。
黒子から2人は同じ高校に通っていると聞いていたから、常に一緒だと思った。
貴『怪我でもしたのか?』
青「怪我はしてねぇけど…。原因がわかんねぇんだ」
青峰は少し辛そうな顔を見せた。
それって病気なのか?
桃井とはそんなに仲がよかったわけじゃないが、顔見知りだし気にはなる。
?「自分桃井の友達やったら一緒に行かん?桃井も女の子が来てくれた方がええやろ」
青峰の隣に立っていた眼鏡をかけた人が私に声をかけてきた。関西人?
まあそこはどうでもいい。
貴『…わかった。私も行こう』
青「…珍しいな。Aが人の心配するなんて」
青峰は目を見開いて、まるで初めて珍しい物を見たような様子で私を見下ろした。
貴『ただの気まぐれだ』
事情を知ったし、このままさようならなんて、白状なことをするのは少し気が引けるので私も一緒に行くことにした。
仕方ない、本は明日でいいか…。
見舞いの帰りに行ってもいいけどね。
ってことで軽い気持ちで私も青峰達と病院へ向かった。
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サイガ(プロフ) - むっくんさん» ありがとうございます!頑張って更新しますね! (2017年7月15日 8時) (レス) id: 19e5edb018 (このIDを非表示/違反報告)
むっくん - とても面白いです。更新待ってます (2017年7月15日 2時) (レス) id: 3bcc7811a2 (このIDを非表示/違反報告)
サイガ(プロフ) - ピー・マン(`^´)キリッさん» (`_´)ゞ (2015年6月21日 17時) (レス) id: 68af667ea3 (このIDを非表示/違反報告)
ピー・マン(`^´)キリッ - d=(^o^)グッッ (2015年6月21日 17時) (レス) id: 247ae801c7 (このIDを非表示/違反報告)
サイガ(プロフ) - 綾乃さん» ありがとうございます!こちらも頑張って更新します! (2014年8月24日 14時) (レス) id: 68af667ea3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サイガ | 作成日時:2014年8月6日 19時