ずっとずっと side M ページ1
気になって拘り出すとロクな事はない。
わかってはいるけど性分だから仕方がない。
後、30分。
日付けが替わるまでには辿り着けるだろう。
交通ルールの許す限りにアクセルを踏み込む。
……打ち合わせ終わったら行くから起きて待っててよ。
と言ったのは俺の方。
年末に向けてのあれやこれやの最終チェックに熱が入り過ぎた。
21時終了予定がこの様だ。
そして………こんな時に限ってこんな時間に事故渋滞って何？
イライラが加速する。
このイライラが消せるのは俺の目的地にいるあの人だけ。
辿り着かない事には収まらない？
イライラと闘いながら辿り着いたのは0時、５分前。
スペアキーでドアを開け靴を脱ぐのももどかしいくらいに焦る。
リビングの扉を開くと……
何やってんの……
……失敗した。
夕方には上がるこの人を俺の部屋に１人待たせるのも申し訳なくて、自分の部屋で待っててって言ったけど。
……それよりだ。
こうなったら予定は全て捨てて今、出来る事をしよう。
先ずは携帯のラインを立ち上げメッセージを送る準備をして、ラグの上に力尽きたように眠る人の横に跪く。
携帯の時計を見ながらその時を待つ。
0:00:00
その人のちまっと開いた唇に齧り付くような勢いで口付けながらラインを送信する。
ちまっと開いていたのをいい事に舌を差し込む。
寝落ちしているこの人の手の中で携帯の着信を知らせるコールが鳴り止まない。
なんなら普通に電話の着信音まで鳴っている。
……知ったこっちゃない。
でも条件反射だな。
流石に電話の着信音に目が開いた。
ゆっくり睫毛を震わせながら開いた目が途中で突然見開く。
……そりゃそうか。
目の前に俺のアップ。
でも直ぐに嬉しそうに目が細められる。
「おかえり」
「ハッピーバースデー。
おめでとう」
唇を合わせたまま言うと何故か吹き出した。
なんで？
「ただいまより、それが先なんだ」
「仕方ないじゃん。
時間ギリギリになっちゃったし、あなたは寝てるし。
１番に言いたいだろ」
「もう、おめでとうの年でもないけどな。
だって人生の折り返しあたりだよ」
「100まで踊って下さいよ〜」
「片手にマイク、片手に杖？
両手塞がって踊れないじゃん」
ころころと笑い出した。
完全に目が覚めたようだ。
「飯、どうする？」
「折角こんなに作ってくれてるからね。
食べるよ」
「冷蔵庫に刺身とカルパッチョが入ってる」
「どんだけ買って来たの、魚」
「んにゃ、釣ってきた」
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蒼羽(プロフ) - 青子さん» 初めまして＆コメントありがとうございます！…もう嬉しすぎます。青子さんのお話もお気に入り入れて何度も読み返させて頂いてます。そんな方からのコメント嬉しすぎます。拙いお話にお付き合いありがとうございます。しかもタニス・リーファンだなんて…頑張れます！ (2021年11月26日 22時) (
レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
青子(プロフ) - 今回のラスト、まさかまさかでした。この先があったら、なかなか怖い事になりそう…などと妄想しております。蒼羽さんの作品をこれからも楽しみにしております。モンスターの太郎ちゃん、一郎君兄弟、楽しみにしております。最後にタニス・リーのファンです。 (2021年11月26日 16時) (レス) id: d98076db62 (このIDを非表示/違反報告)
青子(プロフ) - はじめてコメントさせていただきます。蒼羽さんのお話は全部読ませていただいております。毎日の更新本当にありがとうございます。 (2021年11月26日 15時) (レス) id: d98076db62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2020年11月26日 0時
