【文スト】方向音痴のマフィアさんは中原幹部にときめいている (ページ18)

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緊急プランと防衛戦 ② ページ18

『やあ、こちら太宰。久しぶりだねぇAさん。落下位置は掴めたかい？』

「喧しい極力喋るな」

ヨコハマの為でなければこんな奴と会話なんてしたくないが、今は辛抱。

包帯野郎は一旦置いておき、視界を垂直に降ろしていく。
ふむ、ここは……。

「××地区の○○ビル前だ。そこも混乱の真っ只中だから――」

『了解〜！協力ありがとう、お嬢さん。じゃあね！』

「あ、おい！」

ブツッと通信が切れる音。
……どこまでも腹立たしい奴だ。

異能を解除し、少し疲れた目をこする。
ともあれ、これで恐らく大丈夫だろう。

「では役目も終わりましたし、私はこれで」

『あ、あの』

なんだ？
まだ何かあるというのだろうか。

『少し、話をしませんか？』

「……手短になら」

『私、３年前までの記憶が無いんです。
　家族、友人、自分の名前さえも覚えていないんですよ。
　
　でも、あなたと初めて会ったあの日の夜、夢を見たんです。
　恐らく過去の記憶の』

もしかして……と彼女は言った。

『私達、もっと前に会った事があるのかもしれません』

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数日後、探偵社から手紙が届いた。
茶会の誘いだと書いてあったらしいが、実質的には密会だろう。

私はそれについて行く事を希望した。
何故だか、あの少女も来る気がしたからだ。

でも中原先輩は来ないんだよなぁ…………。